沖縄では、旧暦の12月8日(新暦の1月下旬から2月上旬)に、
健康長寿の祈願のための、
縁起物として「ムーチー(鬼餅)」を食べる慣習がある。
私が小さい頃などは、私の兄弟と、
いとこの分(年の数だけ食べるとされた)の餅が、
おばあの家の軒下にたくさんぶら下がっていた記憶があります。
ムーチーを炊いた煮汁は、
「ウネーフカ フコーウチ(鬼は外、福は内)」
といって、屋敷の回りにまき、
(今、やっているところは無い気もするが)
ムーチーを包んだカーサ(サンニンの葉)は十字に結んで、
人の出入りする入口や軒先に吊るし、
鬼が家の中に入ってくるのを防いだわけだ。
まあ最近は、ムーチーを吊るしているのを、
見かけることも少なくなりましたが。
それでも、男の子が生まれてから、
初めて迎える旧の12月8日には、
今でも「初ムーチー」といって、
盛大にムーチーを作る家庭もあります。
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ムーチーの由来の話がヤバい!
旧の12月8日に「ムーチー」が食べられるようになった、
由来である、民話が実は激ヤバなのだ。
夜な夜な鬼になって人畜を襲うことから、
その男の妹が、鉄の塊を入れたもちを食べさせ、
弱ったところを、崖下に蹴り落として殺した…
鬼退治に使われた餅であることから、
鬼餅と呼ばれるようになったという、この話。
…これだけの話であるのならば、
子供にも話せる内容なのだが…、
本来の話は、ちょっと、ぶっ飛んでいる。
…
鬼は口に入れた、鉄の塊を食べきれないで困っていた。
しかし妹が美味しそうに食べているのを見て、
鬼は妹の口の頑丈さに、びっくりしながら妹を見ていたら、
膝を立てて座っていた、妹の腹の下部分に、
ホーミー(女性の陰部)を見つけてしまった。
鬼は不思議そうに
「お前の下の、血を吐いている口はなんだ?」と尋ねた。
すると妹は、
「上の口は餅を食べる口。下の口は鬼をかみ殺す口です。」
と言ったかと思うと、着物をまくりあげ、
下をあからさまにして、鬼である兄に迫った。
びっくりした鬼は、不意をつかれて飛び上がるや、
足を踏み外して、崖下に転落してしまい、死んでしまった…
この鬼を退治したのが、旧暦の12月8日なので、
沖縄ではその日を厄払いの日として、
生まれた子供の健康を願って食べるようになりました。
…って、これは子供には、
あまり聞かせたくない昔話でしょ?
いやー、いきなり陰部の話が出てきたりするところが、
なんとも日本神話に出てきそうな話で、カオスです。
まるで、痴女じゃないですか。
着物をまくり上げて、迫ってくるなんて…
なんだか、娘に食べさせるのが不安になってきたぞ…
古事記にも記述があるし、古代のインドやギリシャ、
ローマなどにもあったのであって、けして沖縄だけではない!
しかも、この話だと、
鉄の塊もムーチーも、ほとんど意味ないし。
この話が、ムーチーの由来ならば、
鬼餅を食べるというよりも、女の人が、
「ウネーフカ フコーウチ」って言いながら
家屋の周りで、ホーミーをあらわにするっていう、
何とも奇妙な、風習が出来上がってもいいのではないか?
そのほうが、鬼には効果あるんじゃないのか?
なんて、アホなことを考えたりするわけです。
そういう感覚でムーチーをみると、餅が、
なんとも、ホーミー的な仕上がりになっているではないか!!
もしかすると、これは計算されているものなのかっ!!
(たぶん違うけど…)
正しいムーチーの作り方
- 餅粉 1㎏
- 粉タイプの黒糖 300~500g
- 水 約800cc
- 鉄の塊 好きな数だけ
これでだいたい、25個~30個くらいは作れます。
(使う砂糖などで、材料の量は変わってきます。
あくまで、目安です。)
水を半量ぐらい加え、一度材料を混ぜ、
様子をみながら水を加えていってください。
耳たぶ程度の方さになれば、オッケー。
やっぱり、月桃の葉に包んだ方が、
香りも楽しめます。
少し寝かせて、
蒸気の上がった蒸器で、
30分ほど蒸したら、出来上がります!
白糖を使うと白色の餅となり、
黒糖を使うと黒い餅となり、
紅芋粉で色をつけて紫色の餅となります。
沖縄では、白、黒、紫の色の
ムーチーが多いですが、
例えば、カボチャの粉を入れたり、
いろいろ作れると思います。
中に入れるものは、鉄の塊ではなく、
鉄の釘っていう話もあるので、
何でもいいとは思いますが、釘の方が
大ダメージを与えそうですね。
…が、お子さんにあげるなら、
鉄は入れないことをお勧めしますよ。
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