タコやイカを食べていて、針金やたわしの毛、短い髪の毛のようなものを発見したことはありませんか?
非常に小さいのですが、異物が混入していると心配ですよね。針のようにも見えますし。
表面ならまだしも、タコの足の中に刺さっているわけですから、加工している間に異物が混入してしまったのかと考えてしまいます。
国内の蒸し蛸加工業者においては、製造工程中に数度の洗浄工程があり、表面に付着した異物を取り除いています。しかしながら、このように身の内部に混入したものまでは除くことができません。また、工程中で金属探知機を数度使用しているので、針金のような金属が混入することはまずありませんが、金属でないものに関しては検知できません。
それでは、いったいこの異物は何なのか?
じつはこの異物が混入していた例は少なくないようです。そしてこれは「ウロコムシ」類の「剛毛」であることが分かっています。
タコやイカと一緒にウロコムシが漁獲されることがあるそうです。ウロコムシ類は光に集まる習性があるらしく、トロール漁の光に導かれるわけですな。で、その際にウロコムシ類と接触したイカタコの体内にウロコムシの剛毛が残存する例が知られているのです。また、ウロコムシは金属光沢がありますから、光るものに飛びつく習性があるタコやイカが捕食しようとした際に剛毛が刺さる場合もあるようです。
ウロコムシの剛毛は食べても大丈夫なのか?
さて、この異物が「ウロコムシ類の剛毛」だとわかったところで、食べても大丈夫なのかということも問題ですよね。ウロコムシの剛毛は、甲殻類の殻と同じような、石灰質、キチン質から形成されています。なので、食べて害になるようなことはありません。しかし、口の中が傷つく危険性はありますので、注意は必要でしょう。(と、一応断っておきましょう(笑))
タコやイカにはウニや魚の棘が刺さっていたなんて例もあるそうですから、ウロコムシ類の剛毛よりもそっちのほうが危険でしょうね。ま、ウニや魚の棘は気が付かないってことはまずないと思うので、大丈夫でしょうが。
このような海洋性の生き物由来の混入物は、原料段階での混入を防ぐことは困難でしょう。どんなものでも、口に入れるものは自分で最終確認が必要だということに尽きますね。結局自分の身は自分で守れってことです。…だけれども神経質になりすぎるのもやめてください。せっかくの食事が楽しくなくなっちゃいますから。
ってことで、ウロコムシの剛毛くらい食っちゃえよ!ただのキチンキトサンじゃねぇかっ!って暴言で締めさせてもらいます。
こういう異物は考えた事なかったですが、確かに消費者側で注意要ですね。勉強になります、ありがとうございます。