ハブの食べ方

 
ハブを食べる…と言うと、
また沖縄の人間はゲテモノを…
だなんて思われるかもしれない。

はじめに断っておくが、沖縄でハブが
一般的に、食べられているということはない。

 

「ハブ酒」だって、地元の人間に、
一般的に飲まれているわけではないのだ。

製造される多くは土産品として
流通しているというのが実情だ。
 

しかし、ハブはアミノ酸の宝庫であり、
良質なたんぱく質源であり、
強精剤としても注目されている「食材」でもある。
 


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蛇はゲテモノではない

 

じつは蛇を食べさせる店は
全国にも数多くある。

いまでこそ、蛇を食べるというと
「ゲテモノ」食い扱いされかねないが、

日本でも江戸時代ごろまでは、
普通に蛇を食べていたようだ。

江戸には蛇を食べさせる店が
300軒あったという記録もある。

そのころの日本では、牛肉などを
食べる習慣がなかったから、蛇は
貴重なタンパク源の一つだったに違いない。

そして現在でも、日本以外の国で、
蛇を食べるところも多いのである。

例えば、中国や台湾、韓国では、
スープや鍋などに入れる食材として、
現在でもよく食べられているのだ。

 

日本の自衛隊では、現在でも
蛇を食べる訓練が行われているという。

サバイバル訓練の一環として、
生きている蛇を自分たちで調理するのだ。

比較的簡単に手に入り、
豊富な栄養素を得られ、
そしてクセがない。

サバイバル時には、
蛇は絶好の「食材」の
ひとつなのだろう。

 

ハブを食べても大丈夫?

 

蛇は食べられることはわかった。
しかし毒があるハブは食べても大丈夫なの?
と思われる方もいるかもしれない。

大丈夫。

ハブの毒というものは、
口から摂取しても問題はないのだ。

仮に飲んでしまっても、
胃でその毒は分解される。

だから、ハブに咬まれた際にも、
傷口から毒を吸い取ることが、
勧められているのだ。

口の中に傷があっても、
多少腫れたりするかもしれないが、
命に別状はないのである。

 

ハブの味

 
蛇はよく鶏肉のような味がすると言われる。

それはハブも一緒。

確かに肉質などでは似ているが、
鶏肉よりもずっとクセのないタンパクな味である。

鶏肉ほど肉のボリュームがないこと、
小骨が多いということはあるが、
日頃私たちが食べているものとの
違和感は全くないと言っていい。

これがハブの肉であるということを
聞かなければ、気がつくこともないだろう。

 
それでは、ハブをはじめとする蛇は
いったいどのようにして食べられているのか?

代表的なのは、から揚げ、ハンバーグ、
スープといったものだろう。

胆のうや生血も、
飲むことができる。

 

ハブの下処理

 

まずはハブを軽く水洗いしておき、
その首を落とす。

尻尾は固定して、頭の下をつかまえた状態で
ハブの首を落とさなければならない。

尻尾をつかんで頭を落とそうとすると、
咬まれる危険性が高い。

かといって、尻尾を固定していないと、
腕に絡みついて作業し難いのだ。

 

落とした頭のほうから、腹をはさみなどで、
じょきじょきと切り開く。

指で内臓をかき出し取り除く。

切れ目のほうから、皮を少しずつむいていって、
ひっかかりを作ったら、しっかりつかんで、
いきよいよく皮を剥ぐ。

※この段階でもハブの体は動いている。

そのあと、ぶつ切りにするか、開く。

 

ハブの調理方法

 
万人に受け入れられるだろう旨さのある
ハブ肉だが、あっさりしすぎて少し物足りなさもある。

なので、何らかの形で旨みやコクを
足してやると、さらに美味しく頂ける。

たとえば衣をつけ、油で揚げることによって、
コクと旨みを補強すれば、満足感は高まる。
 
ハンバーグにする場合には、
身をハンマーなどで、しっかり叩き、
ミンチ状にしてから作る。

蛇は細かい小骨が多いため、
きれいに取り除くことが困難なのだ。

なので、骨ごと身を叩いて、
食べやすくしてから調理するという
方法もよく行われる。
 
淡白なハブ肉は、ニンニクとの相性がいい。

なので、ニンニクを加えた
蒲焼のたれで食べるのもお勧めだ。

 

ハブを食べるうえでの注意点

 
これは他の蛇を食べるうえでもいえることだが、
気を付けたいのは寄生虫である。

蛇に寄生する寄生虫が、
人間に寄生することは稀なのだが、
それでも日本においてでさえ、
十数例の報告があるのだ。

ヘビを食べることによって、
感染する可能性のある寄生虫は、
意外と多い。

例えば、有線条虫、マンソン裂頭条虫、
顎口虫などである。

ハブを生で食べようとする人はいないだろうが、
ハブの生食は避けるべきだ。

 

しかし、ハブを生で食べることはなくとも、
生血を飲むことはあるかもしれない。

ハブの血も強壮作用があるとして、
島酒やワインなどで割られて、
飲まれることがある。

寄生虫は血液の中にいるわけではないので、
血液を飲むことじたいには問題はないのだが、

調理する際に内臓の表面などに付着している
寄生虫の卵が混入することがあるのだ。

なので、生血を飲むのであれば、
確かな知識と経験のある調理人に
任せたほうが賢明だろう。

 
参考文献
鳥羽通久(2013)『神秘!男と女の驚異!ハブの力―史上最強の強精剤か!?』.
北寺尾ゲンコツ堂(1996)『「ゲテ食」大全 (DATAHOUSE BOOK)』データハウス.


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やま

沖縄在住40代うちなーんちゅです。沖縄や食べ物に関する話題が多くなると思います。不定期更新ですが、ゆたしく!

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