皆さんは、ソデイカをご存知でしょうか?
画像元:http://astronomy-to-zoology.tumblr.com/
沖縄では「セーイカ」、
関西では「タルイカ」「赤イカ」と呼ばれ、
大きいものでは銅だけで90センチ、
体重20キロにもなる巨大なイカです。
食用とされるイカの中では、
最大の大きさ。
ソデイカは、こんなにも大きくなるにもかかわらず、
驚きなのが寿命はなんと1年未満なんです!!
卵から孵化した時は、1㎜くらいの大きさなのに、
1年でこんなにも成長するんです。
もしかすると、この秘密を研究すれば、
身長が伸びる方法を開発することが
出来るかもしれませんね(笑)
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沖縄のソデイカ漁
ソデイカは世界中の温かい海に生息しています。
しかし日本のように暖流の流れる海域では、
北海道や東北などの高緯度域にも生息し、漁獲されています。
もともとは、ソデイカは、日本海側の
兵庫県沖で、対馬暖流に乗ってくるのを狙って
樽流し漁法で釣っていました。
沖縄県では、1989年にソデイカの樽流し漁法を改良した
「旗流し漁法」が導入され、短期間のうちにソデイカ漁が
県内全域に普及しました。
現在では、沖縄でマグロの次に多く
漁獲されているのがソデイカなんですよ。
日本でのソデイカの総水揚げ量の
およそ60%を沖縄県が占めています。
沖縄県ではソデイカを重要資源として
扱っていて、禁漁期間を設けています。
(7月~10月)
ソデイカは「つがい」で行動する?
普段は水深60メートルから80メートルくらいの
深いところにいるソデイカですが、時には
200メートルより深く潜ることもあります。
昼は深いところにいて、
夜は水面近いところで行動します。
動きが鈍いために、強い波に流されて
浜に打ち上げられたり、干潮の際に
浜に取り残されたりすることも多いみたい。
常にペアで移動する(多くて数尾)のが、
ソデイカの行動スタイルです。
2匹ペアで浜に打ちあげられていることも多いため、
「心中イカ」とも呼ばれているそう。
しかしペアで行動するソデイカは、
夫婦なのかと思いきや、
異性同士とは限らないのだとか。
沖縄から暖流に乗って、逃避行した
悲しい男女の結末というわけではないのね!
ソデイカの卵隗の姿が不思議!
ソデイカの卵は、不思議です。
ソデイカは、ゼラチン質に包まれた卵塊を産みますが、
ひとつの卵塊中には、数万もの卵が入っています。
まるでDNAの構造を見ているかのよう!
画像元:https://morealtitude.wordpress.com/tag/thysanoteuthis-rhombus-egg-mass/
画像元:http://miskatonicbooks.wordpress.com/
ほんっとに、不思議ですよね~。
なんだか、未知の生物のようにも見えますよね。
知らない人が見ると、クラゲか
なんかと間違うかもしれません。
ソデイカにはまだ未知の部分が多い
今のところ、ソデイカの生息分布や移動
回遊経路などについても、ほとんど解明されていません。
ソデイカの産卵についても同様です。
ただし、沖縄県の調査によって、太平洋の広い範囲で
産卵前の成熟したメスが見つかっています。
つまり、ソデイカは特定の産卵場をもっているのではなく、
外洋表層の方々で産卵していると考えられるのです。
また、暖流の流れるところでは
年中産卵が行われているようです。
…ということは、あの不思議な光景は、
年中あちらこちらで見れるということなのか!!
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実はあなたも食べたことがあるソデイカ
「ソデイカなんて食べたことない!」
なんていう、あなた!
ソデイカは、実はあなたも、きっと
知らないうちに食べているんですよ。
安いし加工しやすいため、現在では
レストランやスーパー、寿司屋など
でも広く利用されているのです。
生では刺身や、寿司ネタなどにされます。
きっと回転寿司店で、あなたも
食べたことがあるでしょう!
ロールイカや、シーフードミックス、
ステーキ用のイカなどにも、
ソデイカは利用されています。
セーイカの回転干し!これは知らなかった!
ハエも止まれなくていいかも(笑)
その他、ソデイカのヒレやゲソなどは、
中華イカ、餃子の具など様々に加工されて
利用されています。
またセーイカの軟甲は、キトサンの
調製原料としても注目されているようです。
セーイカを冷凍する理由とは!?
ソデイカは、刺身にするともちっとした
食感が特徴で、噛んでいると口の中に
じんわりと甘みが広がってきます。
最近めっきり輸入の減った、
モンゴウイカの代替品としても
用いられたりしています。
沖縄ではよく、バーナーで柵のまま
表面を炙って、刺身に切ります。
そうすると、さらにセーイカの甘みが引き出され、
焼いたイカの香りや旨味と、まるでカマボコ
のようなねっとりとした食感が楽しめるのです。
(もしかすると、イカの平造りは
沖縄や鹿児島以外の人は、見たことないかも。)
実は、このソデイカ。
いったん冷凍しないと、固いし味が無いしで、
全然うまくないんです。
1年くらい冷凍して寝かせないと
旨くならない…なんてことも聞きます。
熟成させると、うまみ甘みが
出てくるんですねぇ。
また、冷凍させた後、解凍することによって、
組織が壊れ柔らかくなる…
ということで、セーイカ(そでいか)は、
いったん冷凍してから刺身にしたほうがいいのです。
しかし、実はセーイカをいったん冷凍する理由は、
美味しくなるからだけではないのです!!
それは、イカに寄生する「アニサキス」。
アニサキスは、鮭やサバなどに寄生しているのが
よく知られていますが、実はイカにも寄生するんです。
セーイカも、「イカ」だからアニサキスが
寄生することもあるわけ。
アニサキスは、加熱するか冷凍すれば
死ぬので、冷凍するというわけです。
ただ、私はこれまでセーイカに
アニサキスがいるのを
見たことはありません。
私の周りの人間に聞いても、
見たことのある人はいませんでした。
(※これを書いた後に、アニサキス見つけました。)
しかし、用心に越したことはありません。
だから刺身用のソデイカは、
冷凍されて販売されているのです。
しかし冷凍すると、味が落ちるどころか、
旨くなっちゃうってんだから、
外食産業には最適なイカだと言えますな。
固いソデイカのゲソを柔らかく調理するには!
たまに、スーパーでセーイカのゲソが
売られていたりするんです。
安い!
安いんだけど、ちょっとカタいんだよなぁ。
オジー、オバーにはすすめられないかも(笑)
例えば、そのまま、バター焼きなどにすると、
固くなってしまうから気をつけて!
「焼く」「炒める」なら、その前に、
「蒸す」か「煮る」かしましょう。
圧力鍋でやると短時間で終わります。
柔らかくなるまで、蒸すか煮るかした後に、
「焼く」「炒める」という料理に使えば、
美味しく頂けます。
揚げる、燻製、蒸す、煮るなどの調理法ならば、
固くなりすぎることはありません。
(でも、柔らかすぎるわけでもありませんが…)
あー、しかし、
あの卵食えるのかなぁ…
もしかしたら、珍味かもしれん…
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