沖縄の水は、一概に硬度が高いと思われている方が多いようです。
確かに、沖縄本島中・南部は、サンゴ礁のはたらきで形成された、
琉球石灰岩地層からなるため、その河川や地下水では、
カルシウム成分が増え、硬度の高い水となります。
しかし、比謝川と天願川を結んだ境より北は、
(本部半島と読谷を除く)
本土の地層と同じ、四万十類型の酸性土壌です。
そのため、やんばるにあるダムの水は、
硬度35mg/l程度の、超軟水なんです。
一方、本部町の伊豆味第一浄水場の、
水の硬度は、214mg/l…
沖縄は地層の違いから、取水場所により、
水の硬度がこれほどまでに、極端に違うんですね。
また、どこの水を水源にしている浄水場なのか、によっても、
「水のおいしさ」が違う、なんてこともあるようです。
場合によっては、道を挟んで、
おいしい水道水と、不味い水道水が流れていることが、
あるの、かも?しれません。
軟水と硬水の違い
一般的に軟水は口当たりが軽く、飲みやすく、
硬水はしっかりした飲みごたえを感じると言われます。
水の硬度を決めるのは、カルシウムとマグネシウムの含有量ですが、
水の味は、含まれるミネラルによって変わります。
ミネラルの量が多すぎると、苦みや渋み等が増しますが、
適度に含まれると、こくのあるまろやかな味がします。
まったくミネラルを含まない純水は、
味がせず、あまりおいしいものではありませんが、
逆にミネラルが多すぎても、好き嫌いがはっきり分かれる味となります。
硬水地域の悩み
沖縄の琉球石灰岩地層を通った地下水や、湧水には、
硬度が、エビアン水を上回る330mg/Lにもなる場所があります。
実は、そんな硬水地域には、
地域ならではの悩みがあるのです。
それは、石灰分が固まること。
私が昔住んでいた、アパートでは、(那覇市内)
トイレとシャワーの水に、井戸水が使われていました。
その井戸水には、大量の石灰分が含まれていたんでしょう、
トイレの手洗いのところの蛇口部分が、
まるで鍾乳洞かのように、つらら状に固まってしまうのです。
また、軟水程度であるはずの水道水を使っていても、
やかんやポッドの内側が、カルシウム成分で白く固まりました。
それが、こびりつくと落とすのが、
本当に大変なんです。
原水が硬水であるヨーロッパなどでは、家庭用カルシウム分解剤が、
スーパーで普通に売っていて、
それを使って、蛇口やシャワーヘッド、
やかんの内側、シンクなどを手入れしているそう。
沖縄で、商品開発して、
販売したら、ヒットしそうなんだけどな。
ちなみに、程度の軽いものであれば、
レモン汁とスカッチブライトで落ちます。
沖縄では、どちらも「スカッチブライト」あるいは「スカッチ」と呼ぶ。
また、硬水では、石鹸の泡立ちが悪いらしいですね。
私は、石鹸に関しては、それほどまで感じたことはありませんが、
硬度が高ければ高いほど、洗剤の量が多くないといけないのだとか。
硬度が0の水と、硬度が150の水では、
同じ洗浄効果を得るためには、
洗剤の量が2倍以上も必要なようです!
だからでしょうか?
ちょっと前までは、沖縄のスーパーでは、
海外の洗剤のビックサイズのものが売られていました。
↑こんなの。(超においが強いんですけど!)
石灰分が多いということを聞くと、
そんな水道水を飲んでも大丈夫?
だなんて考える方も多いかもしれませんね。
しかし沖縄だけでなく、世界中の硬水を使っている人々の、
健康被害について、聞いたことはないですから、
そのあたりは、大丈夫だと思います。
また、日本の水道水の基準に沿って、処理された水ですから、
体に安全な水であるということは、国が保証してくれるでしょう。