沖縄といえば!
海!
海ですよね。
やっぱり。
だけど沖縄の海には、強い毒を持つ
危険な生物も結構多いんですよね。
その中でも、一番被害が多いのが
ハブクラゲによるものなんです。
画像元:沖縄県 http://www.pref.okinawa.jp/
せっかくの楽しい海遊びが、
悲しい思い出にならないためにも、
沖縄の海で遊ぶならば、ハブクラゲに
対する知識を身につけておきましょう。
時間がなければ「まとめ」だけでも!
↓
ハブクラゲに刺されたらどうなる?
ハブクラゲの触手には、
刺胞と呼ばれるものがあります。
刺胞とは、毒の針の入った
カプセルのようなものと考えてください。
刺胞が刺激を受けると、毒針が
飛び出す仕組みになっているんですね。
これは、エサとなる小魚等をとるためのもので、
振動するものにからみつく習性があります。
そのため、人間がハブクラゲの触手に触れてしまうと、
そこに巻きつくようにして刺されてしまうのです。
ハブクラゲの毒は、ハブの毒の
数倍もの強さを持つとも言われます。
ハブクラゲに刺されると、その瞬間に
焼けつくような鋭い痛みが走ります。
その痕は、赤いみみずばれになるのが特徴です。
刺傷後6時間ほどで、みみずばれは
炎症性の浮腫を伴なった水疱となります。
重症の場合には、刺された直後にショック症状を起こし、
呼吸困難から心臓停止に陥ることもあるんです。
しかし、人を死にまで至らすハブクラゲ毒の
有効な血清がまだないのが現状なのです。
ハブクラゲ被害の多い時期
ハブクラゲの被害は、1年を通じて発生して
いますが特に7~8月頃に被害が集中しています。
沖縄県衛生環境研究所による
「ハブクラゲ等危害防止対策事業報告書」を見ると、
被害件数の7割以上が、この時期に発生していることがわかります。
これは、夏休み期間中で、海水浴する人が多いことと、
ハブクラゲが人間に危害を与えるほどの大きさに育つ時期が、
一致することによるものじゃないかなと思います。
また、ハブクラゲは小魚を追って移動しますが、
その時期は沖縄の海岸にはスクが押し寄せるので、
スクを追っかけて浅瀬に入ってくるのかもしれません。
子供に多いハブクラゲ刺傷被害
ハブクラゲ刺傷被害者の半数以上が
10代と10歳未満で占められています。
海水浴に最適な、波の静かな砂浜や入り江、
人工ビーチなどで被害が多いんですね。
子供の遊ぶ水深20~30cm程度の波打ち際にも、
ハブクラゲは泳いでいて、刺傷事故も発生しています。
ですから、お子さんを海で遊ばせる際には、
目を離さないようにしてくださいね。
同じように刺されたとしても、大人より
体力的に劣り、体重の少ない子供は
重症化する危険度も高くなります。
(体重や血液における毒の量が多くなるため)
※過去の死亡例の3例ともが、幼い子供です
仮に運よく死亡が回避されても、
ハブクラゲの傷痕は残ります。
赤いミミズ腫れは、黒や茶色の瘢痕となって
肌に残り、一生消えないこともあるのです。
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ハブクラゲの被害を避けるために
ハブクラゲに刺されないように、
予防することがまず一番大切です。
いくつかの予防ポイントを見てみましょう。
- ハブクラゲ防御ネットの設置されたビーチで泳ぐ
ハブクラゲのかさは半透明で、
海面上からは見つけにくいのです。
ですから、すぐ近くにハブクラゲがいても、
なかなか気がつきにくいんですね。ハブクラゲの被害を避ける一番の方法は、クラゲ防御ネットが設置されたビーチで泳ぐことです。でも、正直、なんだか味気ないですよね…
沖縄には自然のままの手付かずのビーチ(いちゃんだビーチ)が
多く残っていてとても美しいんですけどね。
- ハブクラゲ防御ネットに近づかない
防御ネットがあったとしても、囲いの中に
ハブクラゲが侵入してしまうこともあるようです。
(例えば台風のあととか)
また、ちぎれて入ってきた触手に刺されるということも
あるようです。(その場合症状は比較的軽いようですが)
ハブクラゲ防御ネットやウキには、触手が絡みついていることが
考えられるので、ネットやウキには触れない、近づかないように
したほうがいいでしょう。
- 肌の露出を少なくする
特に幼児の場合は、Tシャツやスパッツなどを着せ、
腕や足の肌の露出を少なくするようにしましょう。
ハブクラゲの刺胞は短いので、Tシャツなどでも
ある程度防ぐことができます。ウェットスーツなら完璧。
- 海へ行くときは酢を持参
「予防」というわけではありませんが、
ハブクラゲに刺された場合、応急処置として酢をかけます。
ビーチに備えられている場合も多いのですが、
念のため持参するか、酢を売っている場所を、
確認しておきましょう。
露出する部分にクラゲに刺されにくくするローション等を塗る
肌が露出する部分には、ハブに刺されにくくするローションなどを塗っておくのもおすすめです。現在、ハブクラゲに刺されにくくするローションなどが発売されています。この《safe sea》は日焼けローションでもありますから、一石二鳥とも言えます。クラゲやサンゴと共存共栄する魚には、クラゲに仲間だと思わせる特殊な成分があることがわかっています。それを利用して、クラゲが寄ってきても刺されないという商品が開発されているんですね。ま、念のためってことで。
※2014/12/22追記
海洋危険生物―沖縄の浜辺から (文春新書)
という新書で、このsafe seaはハブクラゲに効果があるのか実験していました。≪safe sea≫を塗った自分の腕と塗っていない腕に、ハブクラゲの触手をおいて痛みを確かめるという(!)恐ろしい人体実験です。その結果、筆者の小林氏は
≪safe sea≫はハブクラゲには効果は薄いと書いています。考えてみると、≪safe sea≫は、「クラゲに仲間だと思わせることによって、クラゲが寄ってきても刺されない」ってことですけど、別にハブクラゲが刺そうと思わなくたって触手が人間の体に触れれば(反射的に)刺すわけです。だから小林氏の言うように「触手に触れても刺されない」んじゃなきゃ意味はないのかもしれませんね。
もしもハブクラゲに刺されたら
ハブクラゲ防御ネット内で泳いでいたとしても、
運悪く刺されてしまうこともあります。
しかし、適切な対処法を知っていれば、
重症化を避けることも可能です。
もしもハブクラゲに刺された場合には、
どのように対処したらいいのでしょうか?
まずは助けを求める!
まずは刺傷者を海から浜へ運び出します。
刺された本人ならば、大声で助けを求め、
海から上がります。
激しく動かない!
ライフセーバーがいるビーチであれば、
ライフセーバーに知らせます。
毒が全身に回らないようにあまり動かずに
助けを呼びましょう。
触手をこすり落とさない!
ハブクラゲに刺された個所には、
ハブクラゲの触手が残ります。
刺されると激痛がしますが、
慌てて触手を取り去ろうとしてはいけません。
振動が刺胞を刺激し、毒の発射を
促進してしまうのです。
触手にはたくさんの刺胞があるので、
ちょっとさわっただけでは全部の刺胞は
発射されていません。
こするとそれが刺激となって、残っている
未発射の刺胞が発射してしまい、傷が広がって
しまいますし、体内に毒が多く入ることになります。
それでは、どのようにハブクラゲの触手を
はがしたらいいのでしょうか?
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ハブクラゲに刺されたら酢!!
まずは、触手を取る前にやるべきことは、
食酢を患部にたっぷりとかけることです。
酢には刺胞の発射を止めるはたらきがあります。
酢は触手を白濁させて固くし、未発射の刺胞を
完全に抑制します。ですから、触手が白濁するのを
目安にたっぷりと酢をかけてください。
酢は刺胞の発射を抑えるだけであって、毒を中和する
効果はなく、また痛みも軽減するわけではありません。
しかし、上にも書いたように、
毒を最小限に抑えることが、
重症化を避ける方法でもあるのです。
※酢をかけるのはハブクラゲにさされた場合だけです!!
カツオノエボシやウンバチイソギンチャクなどに刺された場合には、
酢をかけると、逆に刺胞を発射させてしまうこともあり危険です。
もしも、クラゲの種類がわからない場合には、
海水を流しかけながら触手を優しくはがしてください。
(真水では駄目!)
決して、こすってはいけません。
できれば、酢を持参していた方が安全ですが、
沖縄のライフセーバーのいるようなビーチには、
必ず酢が常備されています。
酢をたっぷりと患部にかけて、
刺胞の発射を抑えたあと、
指先で触手を優しく除去します。
指先や手のひらは皮膚が硬いため
刺糸に刺されにくいので安心してください。
患部を氷や冷水で冷やしながら
早急に病院へ搬送します。
※氷や冷水で冷やすことで、
痛みを和らげることができます。
まとめ
ハブクラゲの被害を避けるために…
- ハブクラゲ侵入防止ネットの設置されているビーチで泳ぐ
- できるだけ肌の露出を少なくする
沖縄で海水浴する際に準備したいもの
- 酢
- ラッシュガードやウェットスーツ(無ければTシャツでも可)
禁止
- こすらない
- 砂をかけない
- アルコールや水をかけない
間違った通説
乾いた熱い砂をかけると消毒効果がある
酢が無ければ、ビールなどのアルコールをかけても同等の効果がある
実は、どちらも逆効果だそうです。
(一応、アルコールは効果があるっていう人も多いんですが、
念のため酢を使うようにしたほうがいいでしょう。)
かえって、ハブクラゲの触手に残る
未発射の刺胞を刺激してしまい、
毒を発射させてしまいかねないとのこと。
実際に沖縄でハブクラゲの被害に遭い、
死亡した例では、
という応急処置がされていました。
これだけが原因で重症化したわけ
ではないかもしれませんが、
安全を考えると、やはり酢を使用しましょう。
もしハブクラゲに刺されたら
- 酢をたっぷりかけ触手を優しくはがす
- 患部を冷やして痛みを和らげる
- 病院へ行く
まずはハブクラゲに刺されないように予防することが大切。
そのうえで、もしも刺された場合の応急処置を覚えておきましょう。
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