これがイカスミ汁だ!あなたは3度驚くだろう

沖縄には、イカの墨を使った真っ黒い汁がある。
その名も!イカスミ汁!(そのまま)

イカスミ汁は、あなたもきっとハマること間違いない
沖縄の激ウマ汁物料理のひとつなのだ。

しかし初めて目にした人は、まず
その見た目に驚くことだろう。

 
うぉっ!!これ食べられるのか!?
 

しかし、恐る恐るその汁を味わった後、
あなたは再び驚くことになる。

まずは、イカスミ汁の見た目からは想像できない、
濃厚なイカスミのコクと旨味に驚くに違いない!!

 

うまーっ!!

 

そして、イカスミ汁を食べた翌日、
トイレにおいて、3度目の驚きがあるのである…

 

な、なんじゃこりゃあーー!!

 

イカスミ汁を食べた翌日の便を見て、
消化管の出血か?なんて心配しないように。

真っ黒になっちゃうからね(笑)

便潜血検査も陽性になることもあるようだから、
便の検査の数日間は、イカスミ汁は控えたほうがいい。


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イカスミ汁はシルイチャーとンジャナで決まり!

イカスミ汁に使われるイカは、アオリイカ
沖縄では、白イカ(しるいちゃー)と呼ばれる。

シルイチャー アオリイカ 画像

イカスミ汁には、断然シルイチャーが合う。

食堂などでは、イカスミを冷凍のものを使い、
身はロールイカなどを使うところも多い。
(安いから)

しかし身の旨さといい、イカスミのコクといい、
やっぱりイカスミ汁に使うなら、アオリイカがいい。

イカスミ汁は、イカの身とゲソ、そして
豚肉を、たっぷりのカツオ・昆布出汁で煮込み、
イカスミを入れて仕上げた、沖縄の郷土料理である。

味付けは、シンプルに塩だけの人もいれば、
少量の醤油を加えたり、隠し味として味噌を少量加える人もいる。

薬味として、ニガナ(ンジャナ)や、よもぎ(フーチバー)などを
入れるのだが、私の推しは「ンジャナ」。

イカスミ汁に入れられるンジャナの画像

※ホソバワダンのことを、沖縄ではニガナと呼ぶ。
本土のニガナとは別種。ちょっとややこしい。
ニガナというだけあって、苦味のある葉野菜だ。
海岸近くに生える。

 

イカスミ汁といったら、シルイチャーにンジャナバー(葉)
の組み合わせに尽きると、あえて言い切ってしまおう。

そして、イカスミ汁のうまさは、
イカスミの質と量によってきまる。

シルイチャーの墨をたっぷりと使った方が、断然うまい!


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クスイムンとしてのイカスミ汁

イカスミ汁は、古くからクスイムン
(薬になるもの)として親しまれてきた汁物だ。

沖縄には、「医食同源」という中国に影響された考えがある。

食べて病気を治す。滋養強壮のために食べる。
料理は腹を満たすだけのものではないのだ。

イカスミ汁は、サギグスイ(下げ薬)とも言われ、
体内の悪いものを排出する働きがあるとされている。

頭痛や「のぼせ」、腎臓や肝臓の機能、産後直後の
女性の体調の回復にもいいと言われているのだ。

さらに、1990年ごろ青森県の産業技術開発センターが
イカの墨から得たムコ多糖ペプチド複合体に、
制癌作用があることを明らかにしている。

旨いだけではない。イカスミ汁は、
クスイムンとして、滋養栄養満点の汁なのである。

イカスミが洋服についたらすぐに処置

イカスミ汁に、沖縄そばを入れた「イカスミそば」ってのを
食べさせてくれる店もいくつかあるんだけれど、

そばをすするときに、汁が飛び散って、
洋服を汚さないように気を付けないといけない。

イカスミが洋服に着いちゃうと、非常に落ちにくいから、
個人的には、イカスミ汁にそばを入れるのはどうかなって思うな。

もちろん、おいしいんだけどね。

もしも、洋服にイカスミがついたのならば、
すぐに中性洗剤で揉み洗いすること。

そうすれば、綺麗に落ちる。
ただし、イカスミがついて時間がたって、
乾燥してしまうとなかなか落ちないんだよな。

クリーニングに出しても、高い確率で
墨の汚れは落とせずに戻ってくるだろう。

だから、イカスミ汁を食べる場合には、
イカスミがついても、目立たない服か、
お高くない服の方がいいかもしれないね。

イカスミ汁を食べてみんなで笑おう!

あなたはイカスミ汁で、3度驚くだろう。
しかし、食べた後は笑顔になるに違いない。

美味しくてにっこり。

笑うと、口の中が真っ黒だから、
それがおかしくて、みんなで笑い合う。

イカスミ汁は、みんなを笑顔にさせる料理なのだ。


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沖縄ではハリセンボンを食べるんです!アバサー汁っておいしいの?

沖縄では、ハリセンボンを食べるのだ。
ハリセンボンのことを沖縄では「アバサー」と呼ぶ。

「アラサー」ではない「アバサー」だ。
ちなみに私は「アラフォー」だ。

ちょ、ちょっと!
ページを閉じるのは待ってくれ!!

アバサーのかわいくて悲しい話

「アバサー」とは、「おしゃべりな女」という意味。

ハリセンボンを海からあげると、口をパクパクさせる姿が、
おしゃべりをしているように見えるから、
アバサーと呼ばれるようになったらしい。

こんなかわいい顔したアバサー(ハリセンボン)を、
食べてしまうなんて…かわいそうと、感じる人も多いと思う。

うちなーんちゅは野蛮人なのかと、思う人もいるかもしれないが、
単に食文化の違いである。食べない人間からしたら、クジラを
食べることだって、野蛮なのだからさ。

沖縄ではハリセンボンを食べるのです
画像引用元:ウィキ これは怖いかな!?

ハリセンボンは怒ると、身体を膨らませて威嚇する。
しかし、その姿は全然怖くない。むしろかわいいぞ。

ただでさえ泳ぐのが下手なのに、身体が膨らむと
その場から動けなくなってしまうという変なヤツ。

泳ぎ方や表情にも愛嬌があっていいのだけれど、
「それじゃ、他の魚に食べられまくりじゃない?」
なんて心配にもなってくる。

しかし、ハリセンボンには実は、天敵はいないのだ。
…たしかに、あんな針だらけのやつなんて、
口の中に入れたくはないよな…

だったら、泳ぎが下手くそでも
問題ないかというと、そんなこともない。

潮に流されて、寒い地方にたどり着いてしまい、
そこで死んでしまうことも多いんだそうだ。

ちょっと不器用な可愛いヤツなんだな、
私と似ているじゃないか…

ちょ、
ブラウザーを閉じるのは、
ちょっと待ってくれっ!!


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可愛いハリセンボンがなまなましい姿に!!

ヒトヅラハリセンボン。この種類が一番多い気がする。

これはヒトヅラハリセンボンという種類。
沖縄の市場に出回るアバサーは、
このヒトヅラハリセンボンが多い気がする。

 

さて、このアバサー、「フグ目」なんだけども、
毒はない。だから調理するにあたっても、
フグ調理師免許なんてものもいらない。

ただ、針が邪魔なだけだ。

だから沖縄の市場では、皮を剥がれた状態で、
並べ売られていることが多い。

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ちょっと生々しい姿だ。市場で観光客を集めるこの姿!

ハリセンボンの針は、皮にくっついているから、
皮を剥げば、自然と針も取れるというわけ。

しかし、ハリセンボンの皮を剥ぐのは、
慣れていない人にとっては、ひどく難儀な作業だから、
通常は皮を剥いだ状態で販売されているのである。

(実は、皮も湯に通して食べるとなかなかうまいのだ。
ただし、針を抜くのが超めんどくさいのである。
ハリセンボンというけれど、実際には針は400本くらい
しかないが、それでも相当面倒くさいことには変わりがない。)

アバサーの食べ方!

沖縄では、ハリセンボンを「」か「」、「から揚げ」にして食べる。
(…といっても、家庭でアバサーを調理するところも少ないと思う。)

一応、新鮮なヤツは刺身でも食べられる
でも沖縄で、アバサーを刺身で食べることは、ほとんどない。

身はプルプルと弾力があって、癖もなくうまいのだが、
なにせ、可食部分が少ないために、やはり汁にするのが、
アバサーの一番いい食べ方なのである。

アバサーは、なんといっても肝がうまい!
確かに癖はあるのだが、濃厚なうまさがある。

…というか、肝を入れなければ、アバサー汁ではないのだ。
だから、アバサーを買う時には、一匹買いとなる。

魚屋で買う場合には、頭を割ってもらうといい。
めちゃくちゃ硬いので(特に口部分)、
家庭では、なかなか解体できないと思うのだ。

肝と浮き袋以外の内臓は、捨て、
身は骨とともに、ぶつ切りにして使う。

ハリセンボンは、見た目の割に身が少ないのだけど、
案外値段は高い。外で食べると、アバサー汁なんかは、
平均で一杯¥1500くらいはするんじゃないかな。

アバサー汁は”おいしい”薬なのだ!

アバサーの汁は、「さぎぐすい(下げ薬)」といって、
のぼせを下げる効果があると言われている。

さらにアバサー汁は、胃腸の調子を整えたり、
血圧を安定させる効果があるというフーチバー(よもぎ)も
使うので、体調の改善にもってこいの汁ものなのだ。

沖縄には、中国の影響によるとされる「医食同源」という考えがあって、
「食べ物はクスイムン(薬)」ということで、「シンジムン(煎じもの)
を作って、食べ物を薬として民間療法的に扱うことも多い。

煎じるとは、「煮出して薬としての成分を引き出す」ということ。

沖縄では、病気治療や疲労回復、滋養強壮、病気予防として肉や魚、
野草や薬草、野菜などを煮出してシンジムンを作る習慣があるのだ。

だから、このアバサー汁も、アバサーから栄養などのエキスを
最大限に引き出すために、水から徐々に煮出していく

肝は、泡盛と味噌とともに潰してどろどろにする。
包丁で、叩いてもいい。

肝の筋は煮えれば食べられるので、取り除かなくても問題ない。

身は一度、湯通しして、ぬめりや
臭み汚れなどを取るといい。

たっぷりのカツオ出汁に、アバサーと肝を入れて煮込む。
ぐらぐらしてきたら火を小さくし、ことこと煮込む。

煮ている間、鍋の蓋はしないのがポイント。
何故なら、臭みが汁の内にこもるからだ。

出てきたアクを丁寧に取り除く。
アクを取ったら、肝を入れる。

アバサーの身が十分煮えて、
肝の脂が浮いてきたら、煮込みは終了。

あとは、味噌で味を調える。
フーチバーや青ネギ、生姜等を薬味として。

肝は、すりつぶさずに
具として入れる人もいるが、

アンコウの「ドロ鍋」を作るように、
肝を乾煎りして汁にするのもいいだろう。

その場合出てきたアクを取り除く際には、
浮いてくる肝の粒まで取り除かないように気をつけたい。
(これを捨ててしまっては、もったいない。)

滋養強壮という意味でいうと、
フーチバーもたっぷり入れるといい。

正直言うと、フーチバーもアバサーの肝も、
好みがものすごく別れるのである。

しかし、肝の入っていないアバサー汁も、
フーチバーの入っていないアバサー汁も、

「シンジムン」という点からいうと、
失格なのである。

薬なのであるから、苦手でもそのまま食べなさいっ!!
ということを、おじさんは言いたいぞ。

美味しいからこそ伝わる料理

沖縄の「シンジムン」には、他にも「チム(動物の肝)シンジ」や
「ターイユ(フナ)シンジ」「イラブ―(ウミヘビ)シンジ」など、
様々なものを煎じたものが存在する。

しかしそのどれもが、薬であるのに、
食べなれてしまえば、恐ろしくうまいものなのである。

身体が、今「これ」を求めているということが、
「ぷはーっ」と、飲んだ瞬間にわかるのだ。

うまいからこそ食べる。食べるから効果がでる。

医食同源の考えは、美味しくなければ
今日まで伝承されなかったに違いない。


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沖縄の汁物「アーサ汁」!加えるだけであなたのレシピが増えるアーサ

沖縄では「うりずん」と呼ばれる時期がある。

「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされるが、
冬が終わり温かくなって、大地が潤いはじめる、
新暦の2〜4月頃が「うりずん」の季節なのである。

うりずんの時期は、アーサ(ヒトエグサ)の季節でもある。
アーサは、沖縄の海岸のどこにでも生えている海草だ。

備瀬イノーアーサ

本土では、汁ものの具材としての海草は、ワカメが代表だが、
沖縄では、この「アーサ」が代表的な海草である。

01aasa
うりずんの季節になると、岩場などが鮮やかな緑一色になる。
珊瑚礁で囲まれた浅い海のイノー(礁池)

私がまだ小さいころには、自分達で採ってきたアーサを、
洗って日干ししている風景も、近所で見かけることができました。
(那覇だけど)

アーサは砂地の石や岩場のようなところにも、
どんなところでも生えている。
取るのも簡単。料理も簡単

最近では、天然ものだけでなく、養殖物もあるし、
乾燥物があるから、年中食べることができる。

アーサ「あおさ」あおのり


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冷やして飲める沖縄の汁物

このアーサ汁は、夏の料理としてもグッドだ。
何故なら、冷やしても飲める沖縄の汁物だから。

作り方は簡単で、カツオ出汁に、塩と少量の醤油で
味付け。出汁が煮立ったら、豆腐とアーサを入れる。

天におろし生姜をのせて完成。
(ま、汁におろし生姜を入れて作る人もいるけど)

酒を加えてもいいし、人によっては、
泡盛を入れる人もいる。泡盛を入れると、
味が引き締まり、風味が引き立つのである。

具は豆腐とアーサだが、豆腐は本当に小さく、
さいの目に切るといい。

アーサはワカメのように、箸でつかんで
食べるというよりは、汁とともに飲むものだからね。

だから面倒くさいかもしれないけど、豆腐の大きさは、
5mm角くらいの大きさがベストだと思う。
そうすると、豆腐もアーサも汁とともに飲みやすくなる。

豆腐は、やわらかな絹ごしもいいが、
島豆腐を使っても、うまい。

沖縄は多くの汁物があるが、その中でも、
冷たいスープとして飲めるのは、
このアーサ汁だけである。

何故なら、沖縄の汁は豚出汁を使う汁物が多く、
冷やすと脂が固まり、おいしくないのだ。

その点、アーサ汁はカツオ出汁だけなので、
冷やしても、うまいのである。また、具の
豆腐もアーサも、冷やしてもおいしいからね。

アーサは栄養豊富なのだ

アーサはワカメなどの他の海藻よりも高タンパク質で、
食物繊維やビタミンCも豊富に含んでいる。

またアーサは、カルシウムなどのミネラルも多く含み、
新陳代謝を促進し、血液の流れをスムーズにする
効果があるという、ひじょーに優れた食品なのである。

だから、食欲の落ちる夏の暑い日などには、
冷たいアーサ汁は、栄養の面からも、
飲みやすさの点からも、まさにピッタリの汁なのである。

(簡単に作れるという意味でも!)

アーサの食べ方!アーサ汁以外で

アーサは佃煮にしてもおいしいし、
マース煮の汁に入れちゃってもうまい。

寿司屋で、玉(ぎょく:たまご焼き)に
アーサを入れて作ってるところがあるんだけど、
それが、めちゃくちゃうまいわけさ。磯の香りがして!

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アーサを入れた沖縄そばもあるし、
アーサを天ぷら生地に入れてもうまいな。

アーサの天ぷらもうまいんだよ。実は。
個人的にはアーサの場合、うちなー天ぷら(衣が厚い)よりも、
本土式の天ぷら衣のほうが好みだな。

アーサー天ぷらの揚げ出しとかもうまいからさ、
例えば、ジーマミー豆腐の揚げ出しに、
アーサー天ぷらを添えてみたりするとさ、
ちょっとおしゃれな一品ができそうだよね。

つまり、いつもの料理にアーサを加えるだけで、
簡単に新たな料理に変化させることができるのだ。


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スク水揚げに群がる男たち!スクガラスとは?

 沖縄には「スクガラス」なる保存食がある。 

「スク」とはエーグァーの稚魚の呼び名である。
 エーグァーとは、アイゴの沖縄での方言名だ。

エーグァーすく
出典:WEB 魚図鑑 「エーグァー」

 

 「カラス」というのは、塩漬けのこと。
 つまり「スクガラス」というのは、
スクの塩漬けのことなのである。

 ちなみに「琉球ガラス」はガラスだ…

 スクガラスは、瓶に漬け汁とともに入れられ販売されている。

市場本通りのスクガラス販売

 きれいにならべられた瓶の中のスク達
那覇市牧志の公設市場近くのお店などでは、このスクガラスを、瓶に頭を下側に向けてきれいに並べ詰められたものが販売されている。そのようなところでは昔から、小さい瓶は500円、大きい瓶は1000円と値段が変わらない。

 昔は、空き瓶を再利用して詰められたものが多かった(インスタントコーヒーの空き瓶など)。

スーパーで売られているもののほうが若干安いのだが、それらは漬け汁の中にスクが浮かんでいるだけ。綺麗に並べられてはいない。

 大きい瓶には、500匹以上ものスクが整然と並んでいるのだが、
どのようにこのスクを詰めているかというと、なんと手作業なのである。

 あの小さなスクを、箸で一匹づつ同じ向きで詰めていくのだ。

 はじめは、瓶の内側のガラス部分に、スクを
くっつけるようにして並べていき、次にその内側部分に
詰めていく…というような作業を永延と繰り返すのである。

 外側の見える部分だけきれいに並べているわけではない。
 瓶の中のスク全てが、頭を下にして整列しているのである。

 そこに手抜きは一切なしだ!

整然と並ぶスクガラス

 私は以前一度、瓶の中に入っているスクの数を数えたことがあるのだが、面倒くさくなって500匹で数えるのを止めてしまった。
 
 数えているだけで、気が狂いそうになったのに、それを整然と向きを揃えて並べていく作業は、考えただけで恐ろしいのである…

 きっと、並べる作業は、写経などのように、なんらかのご利益があるに違いない。

 そうでなければ、あのように全く儲けの合わない作業をできるわけがない!
…なんてバカことを考えるほど、きれいに詰められているのだ。

 ぜひ、有難く一匹一匹を味わってほしい。


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スクガラスの食べ方

 スクガラスの一番代表的な食べ方といえば、スクガラス豆腐だろう。
 沖縄に旅行に来たことがある方なら、きっと知っているに違いない。
 島豆腐の上に、スクがのっているアレである。

スクガラス豆腐の画像

スクガラス豆腐を発案したのは、琉球最後の国王「尚泰」の四男である「尚順」だそうだ。尚順は沖縄に様々な利益をもたらした人物である。1893年に「琉球新報」を創刊し、「沖縄銀行」を設立し、パイナップルなどを沖縄に導入したのも、この「尚順」なのである。尚順尚順は後年、「驚異の美食家」「グルメ男爵」などと呼ばれ、泡盛にも造詣が深かった。だからこそ、泡盛に抜群に合うこの「スクガラス豆腐」なるものを思いついたのかもしれない。

 しかしね、毎日スクガラス豆腐を食べるわけでもないだろうし、一般家庭でスクガラスを買ってきても、なかなか無くならないわけさ。だって500匹以上入ってるんだよ?居酒屋や料理屋じゃないと、使いきれないよ、とても。

(きれいに使っていれば、長いこと持つし、
逆に発酵が進んでおいしくなるんだけどね。)

 だから、なんか他の料理に使えないかな?
なんて考える人って、けっこう多いと思う。

でもね、意外といろいろ使えたりするよ。

まあ、わざわざスクガラスを使う必要を感じないけど、
早く使い切りたいなら、塩辛やアンチョビを
イメージして料理に使えば、たいがい問題ない。

 例えば、ジャガイモの蒸したものの上にスクガラス!なんて食べ方もありなのだ。(実際に蒸かしたサツマイモと一緒に食べたりもします。蒸かしたジャガイモの上に塩辛をのせて食べるみたいな感じだね。)

 ただし、スクガラスの塩気は確認すること。
 イカなど他の塩辛と比べると、かなり塩がきいているためしょっぱいんだな。
 
 でね、スクは瓶の中で発酵して、独特のうまみを醸し出すようになる。
 三か月くらいだと浅漬け、半年以上経ったものは
完熟状態となって、さらに風味をましてくるわけ。

 スクを漬けている汁は、要するに魚醤
(しょっつる、ナンプラー、ニョクマムなど)なんで、
料理の隠し味として使っても当然おいしいのだ。
(魚醤としてつかうなら、長いことつけているものの方がいいはず)

 魚醤の場合は、魚の重量の2割程度の塩を加え、
放置しどろどろに溶けたら濾すんだけど、スクガラスの
場合は魚を食べることを目的に保存されているわけさ。
(スクガラスの場合は、スクの重量の3割程度の塩を加えるみたい)

豆腐チャンプルー

 しかしだからといって、スクガラスの漬け汁を
使わないのももったいないでしょ。
 スクガラスの旨味が十分に染み込んだ汁を、チャンプルーや
煮物の隠し調味料として使ってもうまいんだな、これが。

 漬け汁だけではなく、スクガラスもみじんにすると、色んな
料理にもつかえるんだけど、トゲや骨があるから、その辺は注意してね。

ソムタム・パパイヤのサラダの画像

 例えばタイ料理に、青いパパイヤを使った
激辛サラダ「ソムタム」ってあるでしょ?
 細かく潰したスクガラスを使って、ソムタムを作ってもうまかったよ!

 沖縄では青いパパイヤを野菜として昔から食べてきたから、
「スクガラスソムタム」なんてメニューがあってもいいと思うんだけどな。

 ※スクガラスを瓶から取り出すときには、綺麗な箸で取り出すこと!手や汚れた箸を突っ込むと、そこから菌が繁殖してしまい、いたみやすくなってしまいます。


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さらに手間と時間をかけてスクガラスの漬け汁を最高の調味料にする方法!

米を水に2時間くらいつけて、すり鉢でつぶしたものを瓶に入れ、
スクガラスの漬け汁と泡盛を加え発酵させます。

それだけで風味が出せるんですが、
半年、一年と置くほど、風味はどんどん良くなります。
最低、3か月程度は置いた方がいいでしょう。

漬け汁は、スクガラスのエキスがたっぷり含まれていますから、
使わずに捨ててしまうのはもったいないですね。

栄養も豊富ですし、調味料としても
最高なものが出来上がります。

化学調味料も使わずに、料理に大変奥深い味が出せるのでお勧め。

生スクがうまい!

 生のスク販売スクガラスとして食べることが多いスクだけれど、実は、生なら刺身でも食べられる。昔は冷蔵技術が発達していなかったから、いたみやすいスクを生で食べられる地域というのは限られていたのだけれど、最近は獲ったばかりのスクがスーパーにも並ぶようになった。

 「スクの刺身って、あんなに小さいものを、三枚おろしにするの?」
なんて疑問を持つ方もいそうだが、そうではない。

頭から一匹丸ごとを食べるのである。

 豪快に骨ごとバリバリ食べちゃうのだ。
 さっと水洗いして、酢醤油などで食べる。
 (沖縄では酢は「マルコメ酢」が使われることが多い)

 さらに島唐辛子をつぶし混ぜると、もう最高!

スク唐揚げphoto by yamaunhi

 また生のスクの「から揚げ」もうまいんだ。
 スクガラスはさすがに塩辛いので、から揚げには
向かないのだけれど、生のスクガラスの唐揚げはうまい!

シークァーサーなんか絞っちゃうと、もう最高だね!

 生のスクは季節限定のものだから、スーパーで見かけたら、
次はなかなか食べることが出来ないと思って、ゲットすることをお勧めする。

スクの漁「スクまい」

 スクは、スクガラスにするにしても、生で食べるにしても、
「餌」となる藻を食べる前のものでなければならない。

なぜなら、藻を食べてしまったスクは、お腹が臭くなってしまうのだ。

 スクは生まれた時は外洋にいるのだが、
その時にはプランクトンを食べている。

しかし、いったんリーフに入ると、浅瀬に生えている
藻を食べるようになるのである(生まれてから3日後あたりと言われている)。

 だから、スクの影が見えたという報告があれば、
スクがリーフに入ってくる前に、男たちは「スクまい」(漁)
に急いで取り掛かり、大軍を一網打尽にするのだ。

生のスクが食べられるのが期間限定なのは、
水揚げされるのは夏だけだから。

スクは不思議なことに、旧暦の6月1日、7月1日、8月1日前後の大潮に近い日に
群れをなして押し寄せてくるのだが、それっきりなのだ。

スクの大群が押し寄せる様子は目でも確認できる。
銀色に染まった塊がまっしぐらに海岸へ向かう様子は圧巻なのである。

スクの大群スクの大群がリーフに押し寄せる!!

 
 「スクまい」が盛んなのは、沖縄本島北部の備瀬集落や伊江島、
伊平屋島、伊是名島などであるが、そこでは漁師はもちろんのこと、
仕事を休んでまで漁に出る人もいる。スク襲来に、男たちはみな沸き立つのである。

 その「スクまい」の方法というのが、かなり原始的。
 男たちは網をかつぎ、次々と海へと飛び込む。
 そして叫びながら泳いでスクを追い込み、網でスクを囲い込むのだ。
(グルクンの伝統漁法「アギャー」に似ている)

 「スクまい」はチームで行われるため、息を合すことが重要な漁法である。
 一人でも失敗すると逃がしてしまうことになるのだ。

 スク水揚げ時(特に旧の6月1日前後の)には、沖縄のニュース番組や新聞では、
必ず取り上げられる。それは本格的な夏の訪れを実感できる、夏の風物詩のひとつなのだ。
 そして私は旨いものが食えると、ムフフ顔になるニュースでもあるのです。

 ちなみに「スクまい」の時期に海が荒れると、
大漁になるという言い伝えがあり「スク荒り」と呼ばれている。

スクを食べる時の注意点

 スクを食べる場合は、頭から食べなければならない。
 反対のしっぽ側から食べてしまうと、
そのトゲで口中を刺してしまうからだ。

 たまにスクガラスをパスタにそのまま入れてしまっている人を
見かけたりするが、味はともかく、危険なのである。

 アンチョビ代わりにスクガラスを利用するのはわかるのだが、
その場合みじんにした方がいい。

 もしも、スクガラスを飾りとして見せたいのならば、
スクガラスを使ったパスタの上に、塩抜きした
スクをから揚げにしてのせる方がいいと思うぞ。

スクガラスは一度は味わってほしい珍味

 スクガラスは、確かに万人向けとはいえないが、
一度は食べて欲しい珍味である。

 泡盛との相性がいいから、ぜひ試してみてよ。
 また、料理に使って、成功したら教えてね。


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バラムツ(いんがんだるま)を食べられる店!お尻から油が!

バラムツを知っているだろうか?
沖縄や大東島では「いんがんだるま」や「だるま」なんて呼んでいる。
 

インガンダルマ
出典:WEB魚図鑑 http://zukan.com/fish/

 

実はこの「いんがんだるま」、
食べ過ぎると、お尻から脂が流れ出てきてしまうのである!!

下痢ではない。
いや、下痢や腹痛を起こす場合もあるのだが、
便意がないのにもかかわらず、肛門から油脂が流れ出すのだ!!

いんがんだるまに含まれる油脂成分が、
人間の体では消化できないためなのである。

よく、5切れ以上食べると、尻から漏れるよ…
だなんて笑い話として話されたりするが、
実際には刺身5切れ程度であれば、そう心配することはない。

(私は7切れ程度食べたことがあるが、大丈夫だった)

しかし、食べ過ぎると、肛門からではなく、
皮膚から脂が漏れる病気になったり、
ひどい場合、昏睡状態になることもあるというから、笑えない。

※「いんがんだるま」という名前は、「胃がたるむ」が変化したものだという説もある。
 

残念ながら、いんがんだるまは沖縄では釣れても、
市場に出回らない

知念漁協の片隅に放置されているのを見たことがあるので、釣れはするのだろう。

何故ならば、厚生労働省から販売禁止指定されているのだ。


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那覇市内でいんがんだるま(バラムツ)を食べたいなら!

これは内緒だが、実は那覇市内でいんがんだるまを食べられる店があるのだ。
さっと表面を炙っって、刺身やにぎりで食べることが出来る。

その店は、前島にある「あるお店」である。
(お店の名は伏せておこう…ま、ググったらすぐ出ると思うけど…)

大将が大東島出身であるため、
大東島くらいでしか、なかなか食べることのできない、
いんがんだるま(ばらむつ)や、なわきりと呼ばれるカマスの仲間など、
珍しいものを食べることができるのだ。

個人的には、いんがんだるまは水っぽくて、
それほどおいしいものだとも思わないのだけれど、実際
めちゃくちゃうまい!と何度もリピートして食べる人もいる。

焼いても、煮てもおいしいのだが、どうしても
摂取する量が増えてしまうので、刺身やにぎり程度にしたほうがいいだろう。

食感はブリで、味は大トロ!」だなんて言う人もいるが、
食べ過ぎた翌日は覚悟が必要だ。

大人用紙おむつを履いておくことをすすめる。

便意がなくとも、脂はたれるわ(若干色がついている!)、
お腹は痛いわになる可能性があるのだ。


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グルクンの謎!なぜ海の中と外では色が変わるのか?

沖縄県の県魚グルクンは、海の中で泳いでいる時と、
釣り上げて陸に上がった時では、色が変わる

うちなーんちゅでも、漁師やダイバーでない限り、
グルクンは赤い魚」だと信じて疑わない人も多いが、
実は、海中では鮮やかな青緑色と光沢を放っているのだ。

しかし、そのグルクンが、
釣り上げてしばらくすると、あの真っ赤な色になるのである。

グルクン・ウク―


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不思議ですねぇ。

実はその理由は、「カモフラージュ」。
つまり、海の中で目立たないようにしているのだ。

例えば、鰯や鯖などの青魚は、背が青く腹が白い。

青魚は表層のあたりを泳ぐのだが、その場合、
外敵は空の鳥と、海中では中層を泳ぐ大型魚となる。

上からも下からも敵に狙われるのである。

そのため、上からの敵には、青い背を見せることにより、
海の色と目立ちにくく、下からの敵には、白い腹を見せることにより、
空の色と目立ちにくくするための保護色になっているのだ。

グルクンもこれと一緒で、普段群れをなして泳いでいる時には、
海の中で目立たない色をしている

たかさごグルクン

しかし、陸に上がってきたときの真っ赤な色が、
グルクンの本来の色なのだろう。

何故なら、眠っている時のグルクンは、
海の中でも赤い色をしているというのだ。

つまり釣り上げられて、陸に上がったグルクンは、
本来の色に戻っただけなのである。
 

また、群れが敵に襲われた時など、興奮している場合にも、
グルクンは真っ赤な色になるらしい。

(まあ、私も興奮すると顔が真っ赤になるが。)

もしかすると、これも、群れ全体が赤く染まることにより、
群れ全体を大きな魚として見せ、敵を欺くための、
グルクンの擬態であるかもしれない。


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グルクンの種類の見分け方!!実はうちなーんちゅもわからないのだ!

グルクンは、沖縄の県魚で、和名はタカサゴ

「県魚」って、割と沖縄の人間には認知されているんだけど、
実は、県外では知らない人も結構多いのである。

え?県魚って?県の魚なんているの?

って感じ。
 

そもそも「県魚」なんてくくりがなかったのに、
勝手に沖縄県が「県魚」決めちゃったんだから、
認知されていなくても、しょうがない。

実際に、1972年に沖縄が県魚をグルクンに決めてから、
10年くらいは、県魚を制定しているのは沖縄だけだったのだ。

今は真似して、県魚を制定しているところも増えたけどね。

今じゃ、宮城とか静岡とか京都とか凄いしね。

京都なんて、県魚20種類とか制定しちゃっているし、
静岡なんて、月ごとに県魚が変わるしね。
(1月はブリ、2月はサバ、3月はマダイ、4月は桜エビ…って感じで。)

その点沖縄は、潔いよ。
だって、ずっとグルクン一筋なんだから。

正直、なんでグルクンなんだよ!?
なんて気もするけどね。


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グルクンの種類の見分け方!

…とはいえ、一口にグルクンといっても、
実は何種類もごっちゃにされていたりするんですねぇ。

グルクンって呼ばれているのは、
基本的にタカサゴの仲間なんだけれども、

 

  • タカサゴ系
  • ササムロ系
  • ウメイロモドキ系
  •  

    …などが、「グルクン」ってひとくくりにされております。

    みんな似ているから、間違えそうだが、
    (間違えたって何も困ることはないのだが…)

    簡単に見分ける方法があるので、それを伝授しよう!

    まずは、尾びれ
    尾びれを見るんですよ。

    ウメイロモドキ系

    尾びれが黄色ければ、それは
    ウメイロモドキかユメウメイロモドキだ!!

    ウメイロもどき
    ウメイロモドキ
    ユメイロモドキ
    ユメウメイロ
    画像:http://zukan.com/fish WEB魚図鑑

     

    ウメイロ系をアカジューグルクンなんて呼ぶこともある。

    ウメイロモドキを、「アカジューグルクン」と呼ぶ。
    ユメウメイロは「シチューグルクン」と呼び、
    「ヒラ―グルクン」とも呼ぶ。
    ※コメント欄より「釣りごろ」さんに教えて頂きました。

     

    まあ、ウメイロモドキ系は色鮮やかだし、体高も高いので、
    一度見れば、そう間違えることはないはず。

    さらに、1キロサイズくらいまでデカくなるしね。

    こんなに見た目が違うのに、グルクンって呼ぶの?
    って感じだけどねぇ。

    まあ、沖縄ではハタ系の魚を全てミーバイと呼んだり、
    ブダイ系をイラブチャーと呼ぶように、結構適当なのである。

    通じればいいのだ。
     

    ササムロ系

    ウメイロモドキ系はわかりやすいんだけど、
    タカサゴ系ササムロ系が見分けにくいかもしれない。

    しかし、これも尾びれを見ればすぐわかる。
     

    グルクンの尾びれで見分ける
     

    上の画像のように、尾びれの黒い部分に違いがあるのわかる?

    尾びれに黒いラインが入っていれば、ササムロ系。
    尾びれの両端だけが黒くなっていれば、タカサゴ系だ。

    なんかねぇ、上の画像だけを見ると、
    身体の縦帯の色が濃いのがササムロ系かな?
    なんて思うでしょ?

    違うんだなー。
     

    009119
    これは尾びれに黒のラインがあるからササムロ系!

     

    ね!これもササムロ系だけど、
    身体の色は濃くないでしょ?

    ササムロ系は次の2種。

    ササムロ系
    • ササムロ⇒ヒラ―グルクン
    • クマササハナムロ⇒ウク―

     

    ササムロはクマササハナムロに比べると、
    体高が高いわけ。で、ちょっと平たい感じだから、
    方言ではヒラ―グルクンって呼んだりする。

     

    沖縄ウク―グルクン
    クマササハナムロ:ウク―

     

    これも尾を見るとわかる通り、ササムロ系。

    これは、クマササハナムロってやつ。
    方言で「ウク―」とか「ウク―グルクン」って呼ばれたりする。

    クマササハナムロは、ササムロに比べると、
    体高が低くて、体に走る縦帯が細くて黒っぽい


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    タカサゴ系

    そして、尾びれの両端だけが黒ければ、タカサゴ系。

     
    沖縄県魚グルクンたかさご

     

    タカサゴ系には、

       

    • タカサゴ
    • ニセタカサゴ
    • イッセンタカサゴ

     

    と3種いるんだけど、

     

    たかさごグルクン

    まずこれがタカサゴ。
     

    グルクンニセタカサゴ

    で、これがニセタカサゴ。
     

    イッセンタカサゴグルクンの仲間
    出典:3つとも WEB魚図鑑 http://zukan.com/fish/
     

    で、これがイッセンタカサゴ。

     
    ま、イッセンタカサゴは何となく、わかりやすいかな?

    イッセンタカサゴは、2~3本の褐色のラインが体にある。

    で、もっとも混同しやすいのは、
    タカサゴとニセタカサゴなんだけど、

    その違いは、側線に沿って
    黄色縦帯が走っているかどうかなんだな。

    グルクン側線

    側線というのは、赤のラインを引いたところ。
    このラインに黄色の縦帯が沿って走っていれば、ニセタカサゴで、
    クロスするように走っていれば、タカサゴなのだ。

    (写真はニセタカサゴ)

     

    グルクンの見分け方まとめ

    グルクンの見分け方としては、
    まず、尾びれを見ること!

    ま、ひじょ―に似ているし、一緒に泳いでいたりもするので、
    売られる時にも、ウク―やタカサゴなどは、
    ひとくくりにグルクンとして販売されてます。

     

    間違っても、居酒屋や食堂で、

    「グルクンの唐揚げお願い!
    あ、ウク―でね。」

    なんて、注文しないこと。
     

    お、お客さんわかっているねー!

    …だなんて風には、ならないから。
    ただ、
     
    「面倒くせえ客だな、おい!」
     

    としかならないからね。

    味なんて、正直大して変わらないよ。
    (ウメイロ系は、また別)

    さて、グルクンの種類としては、次の4種類を覚えておけば、
    ばっちりだ!!

     

    • カブクワ(ヤ)ーグルクン(タカサゴ)
    • ウクー(クマササハナムロ)
    • ヒラーグルクン(ササムロ、ユメウメイロ)
    • アカジューグルクン(ウメイロモドキ)

     
    ちなみに、ヒラ―グルクン=アカジューグルクン
    だと混同している人も多いのである。

    うちなーんちゅでも、見分けがつかない人の方が多いから、
    この知識をひけらかすといい。

     

    「面倒臭えやつだな、おい!」

    となること間違いない!


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    海ぶどうの食べ方や保存方法など!これであなたも海ぶどう通!

     
    プチプチした不思議な食感、
    そして、鮮やかな半透明の緑の色。

    通称「海ぶどう」と呼ばれるこの食べ物、
    今では、もずくに並ぶ代表的な沖縄の海藻だ。

    海ぶどうは別名「グリーンキャビア」とも呼ばれ、
    プチプチとはじける食感が楽しく、
    口の中で磯の香りが、その塩気と共に広がる。
     


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    海ぶどうの天然ものと養殖もの

     
    海ぶどうは主に、養殖ものが出回っている。

    天然ものは、取れる季節が限られており、
    養殖も天候に左右されるなど、収穫量が定まらないため、
    県外では、なかなかお目にかかれない食材であると言える。

     

    天然のものは、限られた場所でしか生息せず、
    宮古島や西表島、伊良部島などが主な自生地だ。
     
    海ぶどうの天然物は、時期によっては育ちすぎていて、
    プチプチとした食感が、損なわれていることもある。

    その点、養殖物はちょうどいい状態の時に、収穫できるため、
    養殖物の方が、品質は安定していると言えるだろう。

    また、天然の海ぶどうは、海草独特の味や、
    特有のヌメリが、強いこともあって、
    養殖物のほうが、食べやすいかもしれない。

     

    海ぶどうの選び方

     

    海ぶどうには、クラスがあるようだ。

    クラスと言っても、品質で分けられているわけではない。

    太い茎がついたままのものがB級で、
    茎が手作業で取り除かれているものが、A級だ。

    手間がかかっている分、値段も変わるんだろう。

     

    ただ、味が変わるわけではない

    茎が取り除かれている分、食感としては、
    確かにA級の方がプチプチしているのだが、
    一番大切なのは、新鮮なものを選ぶということだろう。

    海ブドウは色が緑鮮やかで、つやがあり、
    実がぷっくりしているものを選びたい

    実がぎっしりと詰まっているものを、
    選んだ方がいいという人もいるが、
    それは海ぶどうの「種類」によるだろう。

     

    海ぶどうの種類?

     

    海ぶどうに種類なんてあるの?
    と思った人もいるだろう。

    じつはあるんだ。

     

    海ぶどうは、和名をクビレヅタという。

    しかし、「フサイワヅタ」という、
    クビレヅタによく似た海草もまた、
    「海ぶどう」として流通しているのだ。

    どちらも、味は似たようなものだが、
    フサイワヅタのほうは、食べると若干酸味を感じる。

    そしてフサイワヅタのほうが、実が大粒で、
    ぎっしり詰まっていて、見た目がいい。

    地域によって、「海ぶどう」の種類が違うらしく、
    現在明確な定義がないままのようなのである。
     

    海ぶどうの保存方法

     

    さて、海ぶどうを保存する際、気を付けなければいけない点は、
    常温で保存するということである。

    間違っても、

    冷蔵庫なんかに入れてはいけない

     

    海ぶどう自体が、温かい海水で育っており、
    10度以下の温度では、しぼんでしまうのだ。

    しぼんでしまっては、せっかくの
    海ぶどうのプチプチ感が、楽しめないことになる。

    そしてなにより、しぼんでしまった
    海ぶどうは見た目がまずそうなのだ。

     

    上下を、キッチンペーパーで挟んで、
    できれば蓋つきの箱に入れるといい。

    発砲スチロールでもいい。
    すると、もちが良くなる。

     

    まあ、ここまでしなくともいいが、

    海ぶどうは、常温保存。

    これだけは、ぜひ覚えていて欲しい。

     


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    海ぶどうの洗い方

     

    海ぶどうは海水の塩気や、細かな汚れを
    落とす意味で、軽く水で洗って食べる。

    (特に天然ものの場合、茎の部分に砂や
    小さな海老などが、挟まっている場合がある。)

     

    しかしだからといって、

    塩気を抜こうと、洗いすぎるのも、あまり良くない

    長時間真水につけすぎても、
    やっぱり、しぼんでしまうので、
    さっと洗う程度でいいのだ。

     

    そして同じ理由で、洗うのは食べる直前にしたい。
    軽く水洗いしたら、ザルなどで水けを切って食べる。

     

    出来れば、洗った後、
    氷水に10秒くらいつけると、
    プチプチ感が増すので、お勧めだ。

     

    海ぶどうの食べ方

     

    海ぶどうの食べ方としては、一般的に、

     

    • 醤油で食べる
    • 三杯酢・土佐酢で食べる
    • サラダにしてドレッシングをかける
    • 海鮮丼のネタにする

     

    などがある。

     

    個人的には、
    土佐酢で食べるのが好きだな。

    イカととびっこや、
    イクラなどが相性がいいように、
    海ぶどうとイカも相性がいい。

     

    トロロなんかとも、合う。
    プチプチ感が際立つ感じだ。

     

    ここで注意してもらいたいのは、

    食べる直前に、ドレッシング類はかける

    …ということ。

    これも時間がたつと、海ぶどうがしおれてしまい、
    なんともかわいそうな姿になってしまうからだ。

     

    その他にも、みそ汁に入れたり、
    泡盛の水割りに浮かべたりする人もいる。
     

    味噌汁みたいな熱いものに入れるのは、
    それこそ、速攻でしぼんでしまいそうなのだが、
    意外と10分くらいなら、大丈夫だ。

    ただし、ものすごく
    おいしいというわけでもない…(笑)

     

    泡盛の水割りに入れるのは、ただの飾りだ。

    泡盛グラスの中に、海ぶどうが
    浮かんでいれば、確かに、綺麗ではある。

     

    しかし、何も言わずに入れると、
    「何!?変なものが入ってるけど!!」
    となる可能性もあるけどね(笑)

    まあ、そんな時には、
    海ぶどうのウンチクを語りながら、

    「こういうのもオツでしょ?」

    …なんて勧めたら、なんだかよくわからないけど、
    「イケてる」気がして喜ばれるかもしれない。

     

    泡盛を飲むときに、塩を肴として飲む人がいるが、
    海ぶどうも、塩気があるという意味では「アリ」なのかなぁ。

    (海ぶどうを入れたって、泡盛に
    塩気を感じるわけではないけれども)

     

    他にも、海ぶどう入りのアイスクリーム
    なんてのも商品化されていたりするぞ。

    グリーンキャビア
     

    海ぶどうの空輸について

     

    海ぶどうを空輸する場合にも、
    「常温」を保つということが大切だ!
    ということをよく聞く。

    飛行機の貨物搭載スペースの温度が、下がることがあり、
    海ぶどうがしぼんでしまう可能性があるらしい。

    だから、発泡スチロールに入れたり、
    使い捨てカイロを添えたりして、
    常温を保つ工夫が必要だという。

    寒い時期に海ぶどうを持って、
    飛行機に乗るなら、手荷物として
    持ち込むほうがいいかもしれない。

    ただ、到着先が寒いところであるなら、
    飛行機を降りてからも注意が必要だろうけれど。

    この「みき屋」は、公設市場にもお店があるので、
    実際に何度か買わせてもらったことがあるが、
    海ぶどうの品質に関しては、間違いないだろう。

     

    海ぶどうの色が薄くなっていた場合

     

    もしも、海ぶどうの緑色が薄くなっていた場合、
    透明の容器やビニール袋などに入れ、

    (気を使いすぎるほどでもないが、
    あまり空気に触れさせない方がいいため)

    蛍光灯の光を2時間程度当てていると、色が復活することもある。
    (直射日光では、逆に痛んでしまう)

    ただし、色が薄くなっていたとしても、
    味に関しては何の問題もない。

     

    海ぶどうをご賞味あれ

     

    海ぶどうは、塩気とプチプチ感と、
    その見た目をたのしむ海草だ。

    海ぶどうとオリオンビール

    しぼんでしまうため、料理法や扱いが制約されてしまうが、
    珍しさという意味では、ワンポイントアクセントとして、
    料理を飾ってくれるだろう。

    ヘルシーで栄養素も高く、ミネラルやビタミン、
    鉄分やカルシウムなどを豊富に含んでいるので、
    健康的な食材としてもおすすめだ。

    沖縄を訪れた際には、ぜひ一度ご賞味あれ!

     


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    60キロ越えのナポレオンフィッシュを刺身で食べた話

    ナポレオンフィッシュ。
    標準和名はベラ科の「メガネモチノウオ」。

    沖縄では、ヒロサ―とも呼ばれます。

    美ら海水族館でも泳いでいる、この大きな魚。

    このナポレオンフィッシュも、食べることが出来る。


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    ナポレオンフィッシュは絶滅危惧種で高級魚

    ナポレオンフィッシュは、
    香港では、「蘇眉」(ソウメイ)と呼ばれ、
    高級魚で、おいしい魚として、人気があるらしい。

    (しかし乱獲などにより、ナポレオンフィッシュは、
    2004年に絶滅危惧種とされている。)

    ナポレオンフィッシュの身は、白身で柔らかく、
    特に蒸すと、とろけるような柔らかさになり美味しいそうだ。

    どのような調理法にもあい、
    ベラやブダイの仲間の中では、一番おいしいとも言われる。

    60キロものナポレオンフィッシュを一人で解体した話

    しかし、沖縄では、市場に並ぶことがあったとしても、
    せいぜいが5,6キロ。

    その中で、実は私は60キロほどのナポレオンフィッシュを、
    さばいたことがあるのだ。

    (15,6年前くらいかな。)

    60キロのマグロなら、解体するのは、簡単だ。

    しかし、60キロのナポレオンフィッシュの解体は、
    それはそれは、体力的につらいものがあった。

    なぜなら、身が柔らかいため、
    身を片手で支えながら、解体する必要があったからだ。

    さらに、それを私一人で解体したのだった。

    普通の厨房では、解体するのは無理だ。
    魚の加工場だからこそ、できた解体作業。

    このサイズのナポレオンフィッシュを、
    解体したことのある日本人も少ないはずだ。

    実は刺身で食べたくなかった…

    このナポレオンフィッシュが、
    そんなにおいしい魚だと知っていたなら、
    色んな料理を試したと思うが、

    その当時は、ナポレオンフィッシュ自体、
    食べれるものかどうかも半信半疑だったのだ。

    (社長の指示で、解体販売することになった)

    刺身で食べたのだったが、大味で、
    あまりおいしいものでもなかった。

    (生で食べたくなかったけど、
    食べて確かめなければ、売れないしね。)

    しかも、その身は白身とはいえ、
    若干青みがかった白だったのだ。

    薄く発光しているような青と言えばいいか?

    なんだか、「あたり」そうな色だ。

    (しかし、ネット上を探しても、
    身が青みがかっていると書いているのを見かけたことがない。
    私が解体した個体だけがそうだったのか?
    考えてみると、その後にさばいたことのある小さなものは、
    青くなかったな。何故だ?小さい時は、青っぽくないのか?)

    それを、沖縄の老人ホームなどに、
    刺身として販売したのだった。

    香港では、ナポレオンフィッシュは、縁起の良い魚とされ、
    食べると、長寿や富貴をまっとうすることが出来るなどと言われている。

    良かった。私は、
    沖縄の老人ホームのおじいおばあを、
    長寿にしてやったぞ。

     

    その巨大ナポレオンフィッシュは、筋も皮も厚みがあり、
    火を入れると、めちゃくちゃ硬くなって
    食えたもんではなかった記憶があるのだが、

    香港では、高級魚…

    さらに、ネットで調べてみても、
    ナポレオンフィッシュを、
    料理人たちが、おいしそうに調理している…

    大きさも違うんだろうけど、
    料理技術や知識レベルの差なんだろうなぁ。

    また出会えたら、今度はおいしく調理してやるからな!

    ナポレオンフィッシュ名前の由来

    成魚になると、おでこにコブが出てくるが、
    それがナポレオンのかぶる帽子のようだということで、
    ナポレオンフィッシュ。

    標準和名の「メガネモチノウオ」の由来は、
    成魚になると目の横に現れる、
    メガネのフレームのような模様から。


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    沖縄の青い魚!イラブチャーを食べる!おすすめの食べ方は!?

     
    イラブチャー

    初めて耳にする人にとっては、
    それが、何を意味するのか、
    ちんぷんかんぷんかもしれない。

    イラブチャーとは、沖縄の魚の名前だ。

    イラブチとも呼んだりするが、
    どっちにしろ、魚の名前だとは思わないだろう。
     

    ゲンナー・イラブチャー

    特徴的なのは、なんといってもその色だ!

    沖縄の海を連想させる、鮮やかな青い色の他にも、
    緑や赤、黒や白などカラフルな色のものが存在する。

     

    例えば、公設市場の魚屋で、
    このイラブチャーが、売られていると、

    「うわー!青い!!」
    「すごーい!」
    「キレイ!」
    「あ!これ美ら海水族館で泳いでいた魚だ!!」
    「え~!食べられるの?」

    なんて観光客の声が、聞こえてくる。

    沖縄の青い魚 写真
    イラブチャー画像

    ね?見るからに、
    熱帯の海の魚ってかんじでしょ?

     

    人間は「青いもの」には、
    なかなか食欲がわかないものだと聞いたことがある。

     

    しかし、沖縄に来る観光客には、
    イラブチャーは、受けがいい。

    カラフルな沖縄の魚たちが並ぶ中でも、
    イラブチャーは、断トツ注目を集める魚なのだ。

     


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    イラブチャーは白身魚

     
    イラブチャーは、皮は青いけれども、
    身は白身の魚だ。

     

    刺身でももちろん食べることができるが、
    沖縄では、昔から酢味噌和えや、
    マース煮にして食べられることが多かった。

     

    ちなみに、沖縄では刺身を食べるときには、
    醤油に「シークァーサー」を絞って加えたり、
    コレーグースを混ぜたり、
    島唐辛子をつぶし入れたりする人もいる。

    これは、脂ののりが弱く、
    身の締りの弱い沖縄の魚を、
    おいしく食べる工夫のひとつなのだろう。

    そしてまた、中らないようにするための
    先人の知恵のひとつなのだろう。

     

    イラブチャーを刺身にするときには皮を付けて!

     
    イラブチ刺身

    イラブチャーは、皮目の色を楽しみたいので、
    皮を湯引きして、
    皮ごと刺身にすることが多い。

    (焼き霜にする人も。)

     

    しかし、皮には、クセがあるので、
    若干食べにくいかもしれない。

    私が、自分で食べるのならば、皮をとる。

    新鮮ならばまだいいのだが、
    鮮度が落ちると、クセは強くなる。

     

    煮つけやから揚げ、マース煮などなど、
    味が淡白なので、それこそどんな料理にでも合うのだが、
    正直、そこまでおいしい魚でもないと、私は思う。
     
    イラブチャーは、
    高い魚ではない。

    それは、地元の人間には、
    それほど売れていないからだろう。

    他の魚が高くて、
    イラブチャーが安ければ、
    買うくらいじゃないかな。

    (もちろん、好きな人もいますけど)

     

    出されれば抵抗なく食べることはできる。

    しかし、わざわざ買って食べるという人も、
    今の若い世代には、少ないような気がする。

    だって、今じゃおいしくて安い
    内地の魚が手に入るんですもの。

     

    その証拠というわけでもないが、
    実際に地元スーパーの鮮魚コーナーには、
    イラブチャーが並んでいないことも多い。

     

    しかし一方、観光客向けの居酒屋や、ホテルなどでは、
    だいたいイラブチャーの料理があるはずだ。

    これは、イラブチャーが、
    観光客からの反応がいいというのが、
    一番の理由なんだろう。

     

    おいしいイラブチャー

     

    イラブチャーは、和名でいうところの、
    「ブダイ」科の魚の、沖縄での総称である。

    一口にイラブチャーと言っても、
    ゲンナー」だとか、「アーガイ」とかいろいろな種類が存在する。
    また、オスとメスでも呼び方の変わるものもある。

    一説には80以上もの種類がいるという。

     

    ちなみに、イラブチャーの中ではアーガイが一番おいしいとされる。
    そのため、アーガイは少し値が張る。

    あーがい(ヒブダイ)おいしいイラブチャーの写真
    アーガイ(和名:ヒブダイ)

     

    イラブチャーはブダイの仲間

     

    観光客相手の魚屋だったり、居酒屋に並べられている
    イラブチャーに、「アオブダイ」と書かれているのを見て、

    「へー、タイの仲間なんだ!」

    なんてことを言っている観光客が、たまにいるが、
    イラブチャーはタイではなくて、「ブダイ」の仲間である。

    ブダイは漢字で書くと「武鯛」。

    一説によると、ブダイの鱗はものすごく大きいのだが、
    それが、まるで鎧を着ているようだから、「武」の字を
    当てたという。

     

    イラブチャーの毒性の話

     

    ブダイの仲間に、「アオブダイ」がいるが、
    アオブダイは、沖縄など熱帯の魚かと思いきや、
    実は広範囲に生息しているようで、東京湾などにもいるようだ。

    ブダイは浅い海の岩礁や、サンゴ礁付近に生息する。
    藻やカニ・エビなどの甲殻類、貝類など様々なものを食べる雑食性だ。

    そのため、毒性を持つものを餌として食べることもあり、
    ブダイの内臓を食べることで、「あたる」こともある。

    実際に、本土ではアオブダイの内臓を食べて、
    食中毒を起こした事例も多い。

    そして、死亡するケースもある。
     

    ほとんどの場合、アオブダイの肝臓に毒はあるのだが、
    稀に身の部位にも存在することもあるようだ。

    アオブダイに含まれる毒物は、「パリトキシン」だとみられているが、
    この毒物は、加熱や水洗いでは除去できないため、
    予防法としては、アオブダイを食べないということになる。

    さらに、このパリトキシンは、
    フグの毒よりもはるかに強いとされているのだ!

     

    …じゃ、じゃあ、
    イラブチャーも食べたら危ないんじゃ??
    なんてことを思う人も多いだろう。

    実は、沖縄県内でイラブチャーと呼ばれ、流通しているブダイは、
    ブダイ科アオブダイ属のナンヨウブダイヒブダイなどで、
    本土で毒性が問題となっているアオブダイとは、種類が違うのだ。

     

    また、「あたる」と言われている魚でも、
    生息地域によっては、あたることなく食べることが出来るものもある。

    そういった魚は、主に、生息している地域での
    食べている餌に問題があったりするのだ。

    例えば、沖縄でナガジューミーバイと呼ばれる魚は、
    食べると、シガテラ毒にあたるとされている魚だが、
    獲れる地域によっては、シガテラ毒を持たないものもいる。

     

    沖縄県内では、イラブチャーの刺身で「あたった」という話も聞かないので、
    沖縄で流通されている、イラブチャーは安全であると思うし、
    沖縄の県漁連も以前、そのような見解を発表している。

     

    アオブダイ「」であるため、スーパーや魚屋では、
    イラブチャーのことを、アオブダイと表示しているところも多いのだが、
    勘違いする人もいるかもしれないので、表記を変えた方がいい気もする。

    イラブチャーは、「イラブチャー」と表記した方がいいのではないか。

     


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    アオブダイの見分け方

     

    意外と、アオブダイと他のブダイとの見分け方が難しかったりする。

    その見分け方として、簡単なのは、
    尾びれの上下が、長く伸びているか伸びていないかということだろう。

    アオブダイの簡単な見分け方

    長くなっていれば、アオブダイではない。

     

    イラブチャーの内臓は食べない方がいいかも…

     

    沖縄の「イラブチャー」は、安心して食べることが出来る魚だ。

    しかし、念のため内臓を食べるのは避けていた方がいいかもしれない。
    毒は、肝臓などの内臓にたまるからだ。

    種類は違うとはいえ、同じブダイの仲間であり、
    食べるものも似ているのだから、
    毒性のある餌を食べないとも限らない。

     

    沖縄の離島の人たち、(私が知る限りでは)
    特に宮古八重山の方は、イラブチャーが好きな人が多いように思う。

    イラブチャーの顔の画像

    魚屋で「イラブチャーの頭」を買うのは、
    宮古の年配の方たちが多かったからだ。

     

    個人的に、イラブチャーの身は全然普通に食べれるのだが、
    イラブチャーの頭やアラは、苦手だ。

    特に、イラブチャーの頭やアラで出汁をとった、
    汁ものなんて、食べ慣れない私には、臭いのだ。

     

    ゲンナー・イラブチャーの名前の由来は、
    額に、ゲンナー(げんのう)で叩かれたようなコブがあるからだが、
    そのコブを、煮つけなどにするとおいしいという人もいる。

    写真のゲンナーは、メスだが、
    ゲンナーのオスは、さらにコブが大きくなる。

    ちなみに、コブは、「ぷにゅぷにゅ」していて、
    コラーゲンの塊のようなものだ。

     

    イラブチャーを食べなれた、宮古八重山人たちは、
    好んで、イラブチャーの頭やアラを買う人も多い。

    それどころか、
    イラブチャーの肝を使って、「肝和え」にして、食べたりする。

    作り方もいろいろあるが、
    肝を乾煎りして、酢味噌と混ぜ、
    イラブチャーの刺身を和える方法もうまい。

    新鮮な肝は、臭みが少ない。

    (ただし、ちょっと鮮度が落ちると、すぐに臭くなる)

    念のため、肝臓は食べない方がいいかもしれないが、
    肝和えで食べられているということは、
    沖縄のイラブチャーは「肝」を食べても、
    大丈夫だという証拠には、なるかもしれない。

     

    酢さえも自分達で作っていた!!昔の人たち!

     

    ちなみに、肝和えや酢味噌和えにする時に使う「酢」だが、
    なかなか手に入らなかった時代の人たちは、自分で作っていたそうなのだ!!

    魚屋のおばあの話によると、
    芋を焚いた水を、一升瓶にいれておき、
    それを腐らせて、「酢」をつくったそう。

    しかも、この手づくりの酢は、
    かえって、今売られている酢なんかより、
    ずっとおいしかったらしいのだ!

    う~ん、こんなことを聞くと、
    ぜひ、手作りの酢も味見してみたいものだ…

    しかし、「肝和え」もそうだが、
    この手づくりの酢も、自分で作ろうと思えば、作れるのだが、
    一人で作って一人で味見するには、勇気がいるんだよなぁ。

     

    イラブチャーのおすすめの食べ方!まとめ

     

    イラブチャーを美味しく食べるためには、
    一番肝心なのは、新鮮なものを選ぶことだ。

    新鮮な、例えば釣りたてのものなんかだと、
    肝和えにしても、全然臭くなくうまいのだ!

    しかし、そのように新鮮なものは、なかなか
    魚屋やスーパーには、並ばないが。

     

    イラブチャーは、観光客相手に出す料理の場合は、
    皮を取らずに、皮目の色を見せて料理することが多いが、
    個人的には、皮を取った方が、クセも少なくなると思う。

    また、同じ理由で、揚げる料理がいいんじゃないかなと思う。

    そして、あんかけや、チリソースみたいな料理だと、
    クセは全く気にならない。

    生で食べる場合にも、マリネやドレッシング、あるいは、
    昔から沖縄で食べられている酢味噌和えなんかが、
    クセを上手にカバーしてくれるんじゃないかな?

    イラブチャー自体は、それほど高いわけではないので、
    料理を工夫すれば、おいしい節約料理を作ることもできるだろう。

     


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