プチプチした不思議な食感、
そして、鮮やかな半透明の緑の色。
通称「海ぶどう」と呼ばれるこの食べ物、
今では、もずくに並ぶ代表的な沖縄の海藻だ。
海ぶどうは別名「グリーンキャビア」とも呼ばれ、
プチプチとはじける食感が楽しく、
口の中で磯の香りが、その塩気と共に広がる。
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海ぶどうの天然ものと養殖もの
海ぶどうは主に、養殖ものが出回っている。
天然ものは、取れる季節が限られており、
養殖も天候に左右されるなど、収穫量が定まらないため、
県外では、なかなかお目にかかれない食材であると言える。
天然のものは、限られた場所でしか生息せず、
宮古島や西表島、伊良部島などが主な自生地だ。
海ぶどうの天然物は、時期によっては育ちすぎていて、
プチプチとした食感が、損なわれていることもある。
その点、養殖物はちょうどいい状態の時に、収穫できるため、
養殖物の方が、品質は安定していると言えるだろう。
また、天然の海ぶどうは、海草独特の味や、
特有のヌメリが、強いこともあって、
養殖物のほうが、食べやすいかもしれない。
海ぶどうの選び方
海ぶどうには、クラスがあるようだ。
クラスと言っても、品質で分けられているわけではない。
太い茎がついたままのものがB級で、
茎が手作業で取り除かれているものが、A級だ。
手間がかかっている分、値段も変わるんだろう。
ただ、味が変わるわけではない。
茎が取り除かれている分、食感としては、
確かにA級の方がプチプチしているのだが、
一番大切なのは、新鮮なものを選ぶということだろう。
海ブドウは色が緑鮮やかで、つやがあり、
実がぷっくりしているものを選びたい。
実がぎっしりと詰まっているものを、
選んだ方がいいという人もいるが、
それは海ぶどうの「種類」によるだろう。
海ぶどうの種類?
海ぶどうに種類なんてあるの?
と思った人もいるだろう。
じつはあるんだ。
海ぶどうは、和名をクビレヅタという。
しかし、「フサイワヅタ」という、
クビレヅタによく似た海草もまた、
「海ぶどう」として流通しているのだ。
どちらも、味は似たようなものだが、
フサイワヅタのほうは、食べると若干酸味を感じる。
そしてフサイワヅタのほうが、実が大粒で、
ぎっしり詰まっていて、見た目がいい。
地域によって、「海ぶどう」の種類が違うらしく、
現在明確な定義がないままのようなのである。
海ぶどうの保存方法
さて、海ぶどうを保存する際、気を付けなければいけない点は、
常温で保存するということである。
間違っても、
冷蔵庫なんかに入れてはいけない。
海ぶどう自体が、温かい海水で育っており、
10度以下の温度では、しぼんでしまうのだ。
しぼんでしまっては、せっかくの
海ぶどうのプチプチ感が、楽しめないことになる。
そしてなにより、しぼんでしまった
海ぶどうは見た目がまずそうなのだ。
上下を、キッチンペーパーで挟んで、
できれば蓋つきの箱に入れるといい。
発砲スチロールでもいい。
すると、もちが良くなる。
まあ、ここまでしなくともいいが、
海ぶどうは、常温保存。
これだけは、ぜひ覚えていて欲しい。
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海ぶどうの洗い方
海ぶどうは海水の塩気や、細かな汚れを
落とす意味で、軽く水で洗って食べる。
(特に天然ものの場合、茎の部分に砂や
小さな海老などが、挟まっている場合がある。)
しかしだからといって、
塩気を抜こうと、洗いすぎるのも、あまり良くない。
長時間真水につけすぎても、
やっぱり、しぼんでしまうので、
さっと洗う程度でいいのだ。
そして同じ理由で、洗うのは食べる直前にしたい。
軽く水洗いしたら、ザルなどで水けを切って食べる。
出来れば、洗った後、
氷水に10秒くらいつけると、
プチプチ感が増すので、お勧めだ。
海ぶどうの食べ方
海ぶどうの食べ方としては、一般的に、
- 醤油で食べる
- 三杯酢・土佐酢で食べる
- サラダにしてドレッシングをかける
- 海鮮丼のネタにする
などがある。
個人的には、
土佐酢で食べるのが好きだな。
イカととびっこや、
イクラなどが相性がいいように、
海ぶどうとイカも相性がいい。
トロロなんかとも、合う。
プチプチ感が際立つ感じだ。
ここで注意してもらいたいのは、
食べる直前に、ドレッシング類はかける
…ということ。
これも時間がたつと、海ぶどうがしおれてしまい、
なんともかわいそうな姿になってしまうからだ。
その他にも、みそ汁に入れたり、
泡盛の水割りに浮かべたりする人もいる。
味噌汁みたいな熱いものに入れるのは、
それこそ、速攻でしぼんでしまいそうなのだが、
意外と10分くらいなら、大丈夫だ。
ただし、ものすごく
おいしいというわけでもない…(笑)
泡盛の水割りに入れるのは、ただの飾りだ。
泡盛グラスの中に、海ぶどうが
浮かんでいれば、確かに、綺麗ではある。
しかし、何も言わずに入れると、
「何!?変なものが入ってるけど!!」
となる可能性もあるけどね(笑)
まあ、そんな時には、
海ぶどうのウンチクを語りながら、
「こういうのもオツでしょ?」
…なんて勧めたら、なんだかよくわからないけど、
「イケてる」気がして喜ばれるかもしれない。
泡盛を飲むときに、塩を肴として飲む人がいるが、
海ぶどうも、塩気があるという意味では「アリ」なのかなぁ。
(海ぶどうを入れたって、泡盛に
塩気を感じるわけではないけれども)
他にも、海ぶどう入りのアイスクリーム
なんてのも商品化されていたりするぞ。
海ぶどうの空輸について
海ぶどうを空輸する場合にも、
「常温」を保つということが大切だ!
ということをよく聞く。
飛行機の貨物搭載スペースの温度が、下がることがあり、
海ぶどうがしぼんでしまう可能性があるらしい。
だから、発泡スチロールに入れたり、
使い捨てカイロを添えたりして、
常温を保つ工夫が必要だという。
寒い時期に海ぶどうを持って、
飛行機に乗るなら、手荷物として
持ち込むほうがいいかもしれない。
ただ、到着先が寒いところであるなら、
飛行機を降りてからも注意が必要だろうけれど。
海ぶどうの色が薄くなっていた場合
もしも、海ぶどうの緑色が薄くなっていた場合、
透明の容器やビニール袋などに入れ、
(気を使いすぎるほどでもないが、
あまり空気に触れさせない方がいいため)
蛍光灯の光を2時間程度当てていると、色が復活することもある。
(直射日光では、逆に痛んでしまう)
ただし、色が薄くなっていたとしても、
味に関しては何の問題もない。
海ぶどうをご賞味あれ
海ぶどうは、塩気とプチプチ感と、
その見た目をたのしむ海草だ。
しぼんでしまうため、料理法や扱いが制約されてしまうが、
珍しさという意味では、ワンポイントアクセントとして、
料理を飾ってくれるだろう。
ヘルシーで栄養素も高く、ミネラルやビタミン、
鉄分やカルシウムなどを豊富に含んでいるので、
健康的な食材としてもおすすめだ。
沖縄を訪れた際には、ぜひ一度ご賞味あれ!
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