ウミガメ漁!世界にはいろいろなウミガメの捕まえ方があった!

ウミガメ食べたことありますか?
 

 

ウミガメを食べると言うと、
眉をひそめる人も多いかもしれません。

ウミガメは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに
その名前が掲載され、絶滅のおそれがあるとされている生物。

そんなウミガメを食べてもいいの?
なんて思いますよね?

 

ま、結論から言いますと、流通している
ウミガメを食べたからといって、
罪に問われることはありません。

日本では、小笠原や沖縄など、
昔からウミガメ漁を行っていた地域で、
伝統的漁業として認められているのです。

そして、小笠原では現在でもウミガメが
一般的に食べられています。

 
ここでは、ウミガメを食べることの
是非については、触れないでおきます(笑)が、

ウミガメ漁がどのように行われているか
ご存知でしょうか?

 

ウミガメは海の中では意外に早く泳ぎます。
その速さは時速20キロ程度だそうです。

人間の泳ぐスピードは、およそ時速6キロといいますから、
逃げるウミガメを、泳いで捕まえるのは難しそう。

 
ですから、

ウミガメを最も簡単に捕まえることができるのは、
やはりウミガメが上陸した時でしょう。

砂浜でピットを作るウミガメの画像

 
ウミガメは、地上では動きがのろく、
ウミガメをひっくり返してしまえば、
動けなくなってしまいます。

(…といっても、大きなウミガメは100キロを超すんですが…)
 

…しかしこれは違法です。

産卵のために上陸したウミガメを捕獲、
殺傷、また、卵を採掘することは、
法律や条例などで禁止されています。

 

かといって、海の中で泳いでいるウミガメならば、
好き勝手に獲っていいというわけでもありません。

日本においてウミガメ漁は、
漁獲者や捕獲数が制限されています。

また、採捕禁止期間も設けられ、
捕まえていいサイズなども決められています。

 

ここに書き記すのは、
純粋にウミガメってどうやって捕まえるんだろうっていう、
個人的な興味から調べたことの忘備録であります。

慶良間の海でウミガメと泳ぐ写真
一緒に泳いでも逃げないから捕まえるのも簡単そうにも思えるんだけれど… 慶良間にて
 


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沖縄でのウミガメ漁

沖縄の伝統的なウミガメ漁は「スンカリヤー」とか、
かーみーかけ(亀掛け)」などと呼ばれます。

※「スンカリヤー」の「スンカル」とは、八重山の言葉で「引っ張る」という意味。

ウミガメ漁に使われたのは、
サバニ」という沖縄の伝統的な舟。

sabani2
昔は「エーク」と呼ばれる櫂(かい)で漕ぐか、帆(フー)を使っていましたが、最近ではエンジンを付けたものが一般的です。

 
亀をひっかけるのは、「カーミージョー(かめ竿)」と呼ばれる
先に釣り針をつけた3メートルぐらいの長い竹竿。

kamigake

カーミージョーでウミガメをひっかけ、
竿を引き抜いたあと、船に戻って
ロープを手繰り寄せ、ウミガメを引き上げる
という、なんとも原始的な漁法です。(笑)

 

ウミガメではなく、コブシメを獲る映像ですが、
「スンカリヤー」の様子がなんとなく伺える動画がありました。↓↓

 

ウミガメ漁の場合は、通常
二人で行ったそう。

1人がサバニの船縁につかまりながら泳ぎ、
ウミガメを探しながら、舵をとるパートナーに
指示を出し、ウミガメを追いかけたんだとか。

そして逃げ疲れたウミガメを捕まえたんだそう(笑)

でも、深みに潜られると大変そう…
深いところにいかないように追いかけたんだろうか?

…どうやって??

小笠原の現在のウミガメ漁

小笠原で現在行われているウミガメ漁の方法も、
実は「かーみーがけ」とほとんど変わりません。
 

一人乗りの小さな漁船でウミガメに近づき、
ロープの付いた銛(もり)を突き刺したら、船に戻る。

そして、必死に逃げようとするウミガメと
しばらく格闘し、疲れて弱ったところを
ロープを手繰り寄せ舟に引き上げるというもの。
 

なんでも、交尾最中のウミガメは動きがのろく、
油断しているので捕まえやすいので、それを狙うのだそう。

rapture_20150325003411

お楽しみの最中…
少しかわいそうな気もしますが…

 

船が近づいたことに気がつかれると、
深みに逃げられてしまうことがあるそうで、

ウミガメを見つけたら、エンジンを切り、
静かに近づくそうです。

変わったウミガメ漁

世界には、ウミガメを貴重な食資源として
昔から漁を行ってきたところも多いんですよ。

石器時代の遺跡から、ウミガメの甲羅が
見つかっているので、人間は古くから
ウミガメを食べていたことがわかります。

しかも「漁」をしていた可能性が高い。

何故なら…

ウミガメは、産卵のために上陸します。
産卵以外では上陸することはありません。

ただしアオウミガメは甲羅干しをしに上陸することがあります。

 

ある程度成長しないと、
ウミガメは交尾産卵できません。

しかし、遺跡で見つかった
ウミガメの甲羅のサイズは小さい。

なので、海で漁をしていたに違いない…
と考えられるのです。

 
大昔の人間たちは、
どのようにしてウミガメを
捕まえていたんでしょうね?

 

さて、実は、世界には変わった
ウミガメの捕まえ方があるんです。

 

例えばニューギニアの「コバンザメ漁」、
小笠原諸島の「メスガメおとり漁」など。

名前を見ただけで、興味わきませんか!?
 

コバンザメ漁

「コバンザメ漁」というのは、
名前の通り、コバンザメを使って
ウミガメをつかまえるというもの。

コバンザメはウミガメ漁に利用されている。生きたまま捕らえたコバンザメの尾にロープを結びつけ、ウミガメの近くで放つと、コバンザメは一直線にウミガメに向かっていき腹にくっつく。ロープをたぐればコバンザメと一緒にウミガメも引き寄せられる。小型のものであれば直接捕獲し、大型のものであれば最終的に銛でしとめる。
引用元:ウィキペディア

なにそれ凄い!

そんなんで、本当にウミガメが捕まえられるの?
なんてワクワクしますが、残念ながらウィキペディア以上の
情報を探すことはできませんでした。

ウィキペディアに書かれている
コバンザメ漁ではありませんが、
次の動画を見つけました。

ウミガメが必死にコバンザメから
逃れようとしてますが、
コバンザメは離れてくれません。

ついには疲れたウミガメは、海底で、
ぐったりした様子で休んでしまいました。

あ、この状態なら簡単に捕まえられそう!

海底で寝ているウミガメも
簡単に捕まえられるみたいですから。

 

 

メスガメ漁

小笠原で行われていたという「メスガメ漁」も
かなりユニークなウミガメ漁です。

小笠原諸島で行われていた漁は、メスガメを捕まえます。
そのメスガメのまぶたを縫って、見えないようにします。

カメの足にロープを結んで、海底の岩に縛り付けます。
メスガメを泳がせながら、おとりにするのです。

そのメスガメに集まってくるオスガメを待ちます。

メスガメのまわりを、ウロウロ泳ぐオスガメを、そっと
後ろから泳いでいって、モリで突いて捕まえたそうです。

引用元:http://umigame213.seesaa.net/

何故、メスガメのまぶたを縫う必要があったのかは
わかりませんが、ちょっと残酷な気がしますね。

で、メスガメを泳がしたところで、
そんなにオスガメが集まるのか?

という風に疑問に思う人もいるでしょう。

次の動画を見てみてください。

これはものすごいですね(笑)。

逆ハーレム状態です。

それにしても、
雄のウミガメの、雌の奪い合いも
なかなか激しいものがあります。
 

交尾している最中のウミガメは捕まえやすい
ということで、狙う人もいるようですが、

もしかすると、この方法でオスガメが、
大量に獲れたのかもしれませんね。

ムムム…
実は今もやってたりして…


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パラオのウミガメ漁「ロデオ」

「ロデオ」というと、暴れ馬を乗りこなすスポーツ(?)
を思い浮かべる人も多いと思いますが、
スペイン語で「ロデオ」とは「取り囲む」と言う意味。

モーターボードで、ウミガメの周囲を
円を描くように運転すると、
ウミガメが動けなくなるようです(笑)

なんでも、ウミガメはモーターボードの
通った場所を横切れない
という変わった習性があるそう。

ですから、逃げるウミガメの周囲を取り囲むように、
ぐるっと運転すると、ウミガメはどこにも進めなくなってしまい、

ついには、モーターボードの描いた円の中心で
動けなくなってしまうというのです。

そうしたら、モーターボードから一人が飛び込み、
動けなくなっているウミガメを捕まえるというわけ。

この現在最も新しいと思われるウミガメ漁法が、
パラオで行われている「ロデオ」なのです。

 
ちなみに、ウミガメを捕まえる際には、カメの両前足を
万歳の形で捕まえると、ウミガメがあきらめて動かなくなるそうです。

また、雄の前足はメスの甲羅にしがみつきやすいように
とげとげがあるので、それで怪我をしないためにも
後ろから両手で亀の両前足を抑え込むように掴むらしいですよ。

亀の捕まえ方ばんざいで後ろから前足を捕まえる!
つまりはこんな感じにするんだな!

素潜り&手づかみ

 
ウミガメ漁といっても、実に
いろいろな方法があるもんですが、
最もワイルドで原始的な方法は、
やはり素潜り&手づかみの漁でしょう。

フィリピンやパラオ、メキシコ、オーストラリアなど
世界中の国々で、現在でも広く行われているんですよ。

原始的な漁法だなぁと思った「カーミーガケ」も、
道具を使っている点で、少しは進んだ漁法なのかもしれませんね。

しかし、それにしてもあの重いウミガメを海の中で捕まえ、
それを船まで持っていき、船上に上げるって、
考えただけで半端ない体力です…おそろしい。

 

まとめ?

食に溢れた現在の日本では、
ウミガメよりもウミガメ漁の方が先に絶滅
してしまう可能性の方が高いのかもしれません。

(現在、ウミガメ漁を専門的にやっている漁師も、
沖縄でも小笠原でも高齢の方が1人だけだったと思います。)

しかし、現在でもウミガメの密漁が、
世界で行われているというのも事実です。
 

以前フィリピンの海で、中国船が
ウミガメを密漁し、フィリピン当局に
逮捕された件がありましたが、その際には
なんと数百匹ものウミガメが船にいたそうです。

どのようにして、短期間であのように
大量のウミガメを捕まえることができたのか、
いい悪いは抜きにして、正直興味があります。

ポイントがいいのか、それとも
想像を超えたウミガメ漁の方法があるのか…

 

私が考える効率の良さそうなウミガメ漁の方法は…
「メスガメ漁」+「ロデオ」+「追い込み漁」
でしょうか。

メスガメを囮にし、集まってきたオスガメの
周囲をぐるっとモーターボードで走り、
1か所に集めた上で網で取り囲む…

 

 

ウミガメさんごめんなさい!
不埒なことを考えてしまいました!!


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やま

沖縄在住40代うちなーんちゅです。沖縄や食べ物に関する話題が多くなると思います。不定期更新ですが、ゆたしく!

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