沖縄県の県魚グルクンは、海の中で泳いでいる時と、
釣り上げて陸に上がった時では、色が変わる。
うちなーんちゅでも、漁師やダイバーでない限り、
「グルクンは赤い魚」だと信じて疑わない人も多いが、
実は、海中では鮮やかな青緑色と光沢を放っているのだ。
しかし、そのグルクンが、
釣り上げてしばらくすると、あの真っ赤な色になるのである。
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不思議ですねぇ。
実はその理由は、「カモフラージュ」。
つまり、海の中で目立たないようにしているのだ。
例えば、鰯や鯖などの青魚は、背が青く腹が白い。
青魚は表層のあたりを泳ぐのだが、その場合、
外敵は空の鳥と、海中では中層を泳ぐ大型魚となる。
上からも下からも敵に狙われるのである。
そのため、上からの敵には、青い背を見せることにより、
海の色と目立ちにくく、下からの敵には、白い腹を見せることにより、
空の色と目立ちにくくするための保護色になっているのだ。
グルクンもこれと一緒で、普段群れをなして泳いでいる時には、
海の中で目立たない色をしている。
しかし、陸に上がってきたときの真っ赤な色が、
グルクンの本来の色なのだろう。
何故なら、眠っている時のグルクンは、
海の中でも赤い色をしているというのだ。
つまり釣り上げられて、陸に上がったグルクンは、
本来の色に戻っただけなのである。
また、群れが敵に襲われた時など、興奮している場合にも、
グルクンは真っ赤な色になるらしい。
(まあ、私も興奮すると顔が真っ赤になるが。)
もしかすると、これも、群れ全体が赤く染まることにより、
群れ全体を大きな魚として見せ、敵を欺くための、
グルクンの擬態であるかもしれない。
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