沖縄の家庭料理方法のひとつに、
「マース煮」というものがあります。
沖縄の方言で塩のことを「マース」と言います。
つまり、「マース煮」とは塩煮のこと。
マース煮は、味付けは基本的に塩だけという、
なんともシンプルな調理法の事なのです。
今回は、私が今まで見聞きしてきた、マース煮のとっておきの作り方、
コツや隠し味などについて、こっそりとお教えしますよ!!
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マース煮の基本的な調味料としては、
マースと泡盛だけ。
ここに臭みを消すための生姜や、にんにくを好みで加えます。
”基本的”には水で作りますが、
私は、カツオだしで作ります。
この辺は好みですね。
魚からダシもでますから、
薄めたカツオ出汁でもいいかもしれません。
昆布だけ加える人もいれば、
本当に水と酒と塩だけで調理する人もいます。
(船の上なんかだと、海水で作る人もいます)
マース煮にする代表的な魚と言えば、
エーグァー(あいご)ですが、
マース煮は、新鮮な白身魚であれば、
何でもおいしく食べることが出来るんですよ!
逆に、味付けがシンプルなので、
新鮮な魚でなければ、マイナス面が強く表れてしまいますから
必ず新鮮な魚で作ることが大切です。
騙されたと思って、一度試してみてください!
めちゃうま!マース煮の作り方
まず、魚の鱗や内臓を取り除き、水洗いします。
飾り包丁を入れ、
さっと霜降りします。
(癖が少ない魚で新鮮な場合、霜降りを省略する人も)
鍋にカツオ出汁と水、泡盛、生姜のスライス、
島マースを入れ煮立たせます。
煮立ったところで、少し火を弱め魚を投入。
人によっては、ニンニクや梅干しを入れたりしますよ。
また、なべ底に昆布を敷く人もいます。
そうすると、昆布から出汁も出ますし、
鍋に魚がくっつかないという利点がありますね。
(使う昆布はだしを取った後のものでも良い)
で、マース煮のちょっとした裏技なんですが、
ちょっとだけ「サラダ油」をたらすといいんですよ!
沖縄の魚は、本土の魚に比べると、脂がのっていなく、
味が淡白な魚が多いですから、
煮つけやマース煮にする場合、
サラダ油を少し垂らすのが裏技的なコツです ^^
この方法は、あるホテルの元料理長から習ったんですが、
正直なところ、
「え~!!煮物に油かよ!」
なんて初めは思いました。
ただ、考えてみれば、油で炒めたり揚げたりした後に、
煮つける料理法なんてのも普通にあるわけですから、
おかしいことはないんですよね。
また、エーグァーなどのちょっと臭みを消したい魚などには、
バターなんかを少し加える人もいます。
で、私の場合ほんのちょっとだけ醤油をたらします。
(マース煮ですから、あくまでほんのちょっとです)
途中、ネギや島豆腐なんかを加えて一緒に煮ます。
落し蓋をするか、汁をかけながら、
魚に火が通るまで10分から15分くらい煮ます。
アーサ(アオサ)を煮汁に加えると香りだけでなく、
彩りも良くなりますね。
マース煮には、汁をたっぷり残して、
汁をつけながら食べるような調理法と、
汁けがあまり残らないように、調理する方法があります。
この辺りは好みですが、
汁けを残さないように調理する方法は、
塩の加減が慣れていない人だと難しいかもしれないですね。
汁をたっぷり残す方法であれば、
煮汁で味をたしかめ、調整することができます。
出来上がりましたら、
シークァーサーやレモンなどを添えて、
美味しく召し上がれ!!
宮古 八重山なんかだと、マース煮に「フィファチ」という、
コショウのような香辛料をかけて食べたりするようです。
(ちょっと、独特の香りがするけど、好きな人は好き!)
マース煮は材料も味付けもシンプルですから、
魚の新鮮さが味を大きく左右する料理です。
また、使う塩も、精製塩ではなく、
島マースのように、ミネラル分を多く含んだ塩の方が
美味しく調理できる気がしますよ。
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個人的にマース煮に一番合うと思う魚はコレ!
私が個人的に”マース煮”で一番好きな魚は、
大東島でナワキリと呼ばれる、
カマスの仲間の深海魚です。
ただし、なかなか手に入らないんですけどね。
ナワキリは、塩焼きにしてもおいしいですが、
そのイカツイ外見に似合わず、
繊細で美味しい出汁がでて、
マース煮に最高に合う魚の1つだと思います。
ぜひ、機会がありましたら、
マース煮にして食べてみてください。
海水の温度の問題かなぁ?
大東島周辺でとれる魚は、沖縄本島近くでとれる魚と比べて
脂がのっていて、とーっても、おいしいんですよ!!
例えば、シチューマチ(アオダイ)なんか
本島周辺でとれるものも美味しいんですが、
大東島から送られてきたシチューマチを食べたら、
びっくりするくらいうまかった憶えがあります。
やっぱり海が違うんでしょうかね。
ちなみに、ナワキリは沖縄本島だと、
前島にある「大東寿司 喜作」で食べることが出来ます!
もちろん、マース煮にもしてくれますよ!
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ふぃふぁち
ではなくピパーチ、ピパーツ、ピヤーシ、ですね。それと宮古ではなく八重山ですよ。
えーまんちゅーさん、ありがとうございます!八重山と書いたつもりが、宮古になってました(^_^;) 「ピパーチ」などの呼び方は知っていますが、「ひはつ」とか「フィファチ」とか呼ぶ人もいますよ。地域で違うんでしょうかね?