沖縄の昔のかまぼこは、グルクン100%で作られていたらしいわけ。
なんでも、私のひいひいおばあちゃんが、
このグルクンかまぼこ作りの名人だったらしく、
評判を聞き、その技術を盗もうとする人も多かったそうだ。
盗み見られていることに気がつくと、
ばあちゃんは、その人がいなくなるまで、
かまぼこを作るのをストップしたという…
そんな話を聞いちまったら…
食いてぇーぜ!!
めちゃめちゃ食いてーぜ!!
そんなに旨いのなら、
ぜひともグルクンかまぼこ食いたいぜ!!
しかし、残念なことに、
ひいひいばあちゃんは30年も前に亡くなっているのである…
私にそのグルクンかまぼこを、食べさせることなくだ…
もう私は、その旨さを味わうことはできないのか…
と、これまでずっと思っていた。
沖縄では、現在グルクンでかまぼこを作るところはない…
はず…!?
…!!!!!!?
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いまだにグルクン100%で作るかまぼこ
なんと、グルクンかまぼこを、
現在でも作り続けているところがあったのだ!
その店の名は…「久米島かまぼこ製造所」。
グルメ本やサイトで有名で、沖縄に関する本も何冊も出版している
さとなおさんの本の中で、グルクンかまぼこを作っているところが、
まだあることを見つけた時には、心躍った!!
沖縄上手な旅ごはん 美ら島に遊び、うま店で食べる (文春文庫PLUS)
これは、今すぐ食わねば!味わわねば!!
しかし、この本が出版されたのは今から10年以上前、
後継者問題がありそうな書き方だったが、まだ存在してるかなぁ?
…なんて心配しながらも、即、工場に向かったのである。
あっ!あった!!
看板があるのを見つけた時は、正直ほっとした。
しかし、まだやってるのか?
首里のホテル日航グランドキャッスルの近くではあるが、
真嘉比方面からの方が、場所がわかりやすいかもしれない。
道が狭いうえ、入り組んでいるので、
土地勘がなければ、迷ってしまう可能性もある。
そんなところに、家を改造してつくられたかまぼこ工場(?)はある。
見た目は、ずばり民家である。
納屋を改造した工場には、大きな体の男の人が!!
お~、跡継ぎ問題は解消したのか!
買いに来るのも、初めてのくせに、
なんだかみょーに嬉しくなったのである。
ここで作っているカマボコは、グルクンの
皮入りか、皮が入っていないものかの2種類。
当然皮入りの方が、グルクンの存在感を楽しめる。
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あ、沖縄の「かまぼこ」には2つある。
揚げたものと、蒸したもの。
揚げたかまぼこは、「チキアギー」と呼ばれる。
「つけ揚げ」の沖縄なまりだ。
つまりは、さつま揚げのようなもの。
沖縄では、単に「かまぼこ」というと、
このチキアギ―のことを指したりする。
そして、蒸して作るカマボコは、
「紅白かまぼこ」と「カステラかまぼこ」がある。
ちなみに内地のカマボコと違って、カマボコ板はついていない。
そしてなによりも、蒸して作るカマボコの、
内地のものとの大きな違いは、その大きさ!
なんと半分で600グラムもあるのだ。
カステラかまぼこの半分で、内地のものの3倍以上はある。
何故、沖縄のかまぼこが大きいのかといえば、
重箱の大きさに合わせているからなのである。
沖縄の重箱料理には、カマボコが欠かせない。
沖縄の重箱は、何よりもきっちり詰めることが大切なのだ。
だから「高さ」も「幅」も必要となるのだ。
さて、話は戻るが、グルクンかまぼこは、
揚げるタイプのかまぼこである。
一度蒸したあとに、揚げて作る。
材料はグルクンの身と塩、砂糖、卵、でんぷんと、
泡盛を少々。保存料などは加えないそう。
で、グルクン100%であることからわかるとおり、
その香りは、グルクンの唐揚げそのものなのである!!
その香りの強烈なことといったら、
クルマの中に入れ、窓を閉めていたら、
服にもにおいがつきそうなくらいだ。
見てくださいよ!!
この大迫力のカマボコ!
カマボコって言わないと、カマボコに見えないっていうね。
400gくらいで、¥600。
グルクン100%であることを考えると、
かなり激安なのである。
だって、グルクンって小さいじゃないですか。
それをさばいて、ミンチにして、寝かして、
蒸して、揚げるって作業労力を考えると、安すぎるだろー!!
最近は、グルクンだってそんなに安くないんだしさ。
断面は、こんな感じ。
グルクンの皮が、つぶつぶとして見える。
普通のカマボコのように、白くはないな。
ちょっと灰色がかっている。
まずは、一切れ、そのまま食べる。
ん!?
ん~、ん~?
いまいちだなぁー
私の期待が大きすぎたのだろう。
確かに、独特の香りや、味と食感ではあるのだが、
期待したほど、うまいものではなかった…
さとなおさんの本には、あんなにおいしそうに書いていたのにな…
独特の香りだ。特に外側の揚げて固くなっている部分は、
グルクンの唐揚げの香りと味がして、中はボソ、ムヌってかんじの食感。
あれだな、グルクンでかまぼこを作るのは作業が大変だからとか、
グルクンの漁獲量が減ってきたから、その価格が高くなってしまった…
なんていうのが、グルクンかまぼこの作り手が減っていった、
一つの理由としてあるんだろうけど、売れなくなったんだろうな、正直な話。
だって、普通のカマボコの方が、安いしうまいしなー。
もちろん、グルクンかまぼこは、まずいってわけじゃない。
忘れた頃に、また食べたくはなるようなカマボコではある。
だから、他では作っていない分、商売が成り立つんだろう。
普段使いのカマボコなら、普通にスーパーで売られている、
カマボコの方が適しているに違いない。
だって、グルクンかまぼこ、
グルクンが、めっちゃ主張してますもん。
グルクンかまぼこの美味しい食べ方!
…ということで、これは、つまみ用のカマボコだな!
と、勝手に解釈して、その夜の酒のあてにしました。
そしたら、できたてあつあつだった、グルクンかまぼこも、
食べる頃には、冷めてしまっていたわけ。
そしたら、意外な発見!!
冷めていた方が、うまい!!
やっぱり作り立ての方がおいしい気がするでしょ?
でもね、このグルクンかまぼこ、
冷めた方が、味がよくわかる気がするわけ。
味が落ち着いたのかなぁ。
うまっ!!
お酒お酒!
沖縄では、チキアギ―を、
もちろんそのままでも食べるんだけど、
フライパンで炒めて食べたりもするわけ。
揚げたものを、また炒めるって!
油摂り過ぎだろ!って感じだけどね。
で…
グルクンかまぼこを適当な大きさに切って、
フライパンで炒め、醤油をちょっとたらす。
あとは青ネギの小口切りをどばーっ!!
その上に、糸ガツオをとばーっつ!!
以上。
めっちゃうまい。
ポン酢もいいね。
グルクンかまぼこは、
マヨネーズと超相性いいわけさ。
ワサビマヨネーズだとか、
一味マヨネーズだとか、
醤油マヨネーズだとか、
超うまいから、試してみてね!
あとは…ね。
味噌汁!
グルクンの唐揚げって、みそ汁に入れるとうまいの。
実は。
でね、このグルクンのかまぼこってさ、
結局、グルクンの唐揚げのようなものじゃない?
だから、もしかしていけるんじゃないかな?
と思って、みそ汁作ってみたわけ。
うま~!!
やっぱ、うま~!!
一応ね、グルクン唐揚げで作った方が、
やっぱりうまいんだけども(なんじゃそりゃ)、
グルクンかまぼこでも、いけるね!
グルクンのダシも出て、
油も含まれるから、うまくなるわけさ。
…汁にいれておいしいってことは、
沖縄そばにもいいのかな?
グルクンの唐揚げ(骨なし)を、甘辛く煮たものを、
トッピングとしてのせて出す、沖縄そばもあるくらいだしな。
生き残れよ!グルクンかまぼこ
めっちゃ期待していただけに、
ふーん。こんなものかって感じだったんだけど、
あとひく旨さなんだよね。グルクンかまぼこって。
ばあちゃんの、グルクンかまぼこが余計に食べたくなったけど、
また思い出したら、ここに買いに来よう。
生き残れよ!グルクンかまぼこ。
じゃないと、もう食えないんだからな!!
グルクンかまぼこは、大平通りにある出店でも買えます。
昼の1時過ぎくらいからしか開かないので、注意!
赤い線が引いている通りが、「大平通り」でごわす。
国際通り側から向かう場合は、市場本通りをまっすぐ行って、新天地市場本通りもまっすぐ歩いた先が「大平通り」になります。
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